JFTC Essay Competition

Words from Winners of JFTC Essay Competition 2005

本稿が提唱する「コーポレート・フォーリン・ポリシー」(CFP)の概念は、昨今のわが国の国際経済政策を巡る苦境の打開策として創出されたが、その際に念頭にあったのは、4世紀にローマ帝国でキリスト教が公認・国教化されるに至った史実である。これは、当時のローマ皇帝がキリスト教に帰依したからではなく、パンとサーカスに没頭した帝国市民に代わり、自らの命と快適な生活を捨てても守るべき何かを持っていたキリスト教徒を帝国の礎として頼みにせんと決意したからであった。
筆者は、このエピソードを、国家の危機の際には、その時点で最もポジティブなエネルギーを有する勢力を頼みにすべし、という教訓と理解し、これをわが国の国際経済政策に適用した。資本主義が高度化したこの21世紀初頭という時代においては、「失われた10年」に耐え抜き見事に蘇生したわが国企業こそが、我が国で最もポジティブなエネルギーを保有する勢力と考えた。これがCFPの起源である。
本稿は、CFPの具体的な適用方法やその後の展開を詳述しないが、かかる難問は、むしろ広範な関係各位に考察頂きたく、今後かかる考察が活発に行われれば、本稿の受賞の意義もあったのではないかと考える。

Akihiko TAMURA (Japanese)

It was a great pleasure to take part in this competition. The fact, that as a Latvian student on a scholarship from Cambridge University in England, I can be studying in Japan, is a perfect example of our globalized world today. Japan and its companies are daily facing challenges that would not have even been on the political and corporate agenda 50 years ago. This essay competition and other JFTC activities are great efforts towards increasing the understanding of the process of globalization. I would like to thank all the organizers and judges that made this competition possible.

Lauma SKRUZMANE (Latvian)

優秀賞に選んで頂き大変嬉しく思っております。海外に出ている日本企業の10年後をイメージすると、トップの多くが現地の人材という事が十分ありうると思います。逆にそれが出来ないところは苦しくなってくるかもしれません。国や地域の文脈の中に自社の強みをいかに落としこんでいくか、ということが問われてくるのだと思います。今回選んで頂いたのも、そういう意識が強まっている表れではないかと感じています。

Makoto YODA (Japanese)

このテーマはかなり以前から論じられているものであり、これまでの議論の焼き直しでは意味がない。これが今回の論文募集を知った時に私が抱いた印象でした。では自分が提示できる新たな論点は何か。そのことを考えた時、脳裏に浮かんだのが、本文中でも触れた東京と地方での勤務経験でした。
今回の受賞は大変光栄に思うと同時に、独自の視点と意識を持つことの重要性を改めて認識しました。また受賞後周囲の方々から多くの賞賛の言葉を頂きました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。

Sadaka INASAWA (Japanese)