商社が分かる

商社の活動 取引の概要

取引の概要

商社の取引活動には、主に次のような特徴があります。

1.広範、多岐にわたる取扱商品
2.グローバルで多様な取引形態
3.巨大な経営規模



第1は、いわゆる「ミネラルウォーターから通信衛星まで」といわれるように、その取扱商品が広範多岐にわたることです。機械、プラント、通信機器、金属、鉱産物、エネルギー、化学品、繊維、食糧、食品など、幅広い業種と、川上から川下に至るあらゆる分野に関わり、原材料から製品、消費財から生産財まで、広範な商品を取り扱っています。また、最近では外食産業、スーパー・コンビニエンスストア、移動体通信事業といったサービス産業にも参画しています。さらに、新しい成長分野への対応として、ICT(Information & Communication Technology)関連、ナノテクノロジー、バイオインダストリーや、ライフケアをはじめとする各種消費者関連分野、環境関連分野などへの取り組みも強化しています。


第2の特徴は、活動の舞台がグローバルであり、取引形態が国内、輸出、輸入、外国間取引の四分野にわたることです。海外関係の売上高は、おおむね全体の4割程度になります。また、鉄鋼やエネルギーなど原料・素材の輸出入や、電力・プラントなど海外プロジェクトに関しては、そのかなりの部分に商社が関わっています。地域的に、米国や欧州、アジア諸国では、事業への投資とこれをコアにした貿易取引が拡大しています。一方、中南米、中東、アフリカ諸国では、資金調達面での協力などをコアにした取引がより多くなっております。
また、商社は、実際の商品を取り扱う実物取引に加えて、先物市場での取引(定期市場取引)も行なっています。具体的には、債券、金属(貴金属、非鉄)、エネルギー(原油、天然ガス、ナフサ)、食糧(穀物、砂糖、コーヒー)、物資(天然ゴム)などですが、これらは、主に価格変動リスクを極小化するために利用しています。

特徴の第3は、その経営規模が極めて大きいことです。因みに、大手商社7社の2010年3月期の連結ベース売上高の合計は、68兆円となっております。こうした巨額な売上を構成する要因として、国内外における多くの事業会社の存在があります。例えば、上記7社の事業会社(連結子会社・持分法適用会社)は約3,500社を数えるなど、一大企業グループを形成しています。商社は常に新しいビジネス機会を追求していますが、新規分野への参入は、事業会社の設立や、既存企業の買収を通じて行われることが多く、これら大手商社が「会社を創る会社」とも言われるのは、こうした理由によるものです。商社はこれらの事業会社との連携により、取引の拡大と収益の拡大を追求しています。
なお、商社の巨大な売上高については、かつて1980年代までは、成長戦略の一環としての、重要な経営指標でもありました。しかし、グローバル化が進展し、メガコンペティション時代に突入した90年代以降は、グローバルスタンダードの視点から、必ずしも規模を追求するのではなく、ポートフォリオマネジメントやエグジット基準の明確化などにより、常に資産内容の健全化を意識しつつ、リスク資産に見合ったリターンの確保、すなわち収益性を重視する方向へと戦略を転換させています。