商社が分かる

商社の活動 幅広い事業分野

幅広い事業分野

ここでは商社の主な事業分野を紹介いたします。
これにより商社の活動が、日本経済の幅広い領域を網羅していることがお分かりいただけると思います。

鉄鋼

鉄鋼分野では、国内外の需要家向けに鋼板・鋼管・条鋼・線材・ステンレス・特殊鋼など、鋼材を幅広く販売しています。内外の代理店網を通じてJust in Timeの納入を実現するだけでなく、自らも在庫を持ち、また需要家のニーズにあわせて、鉄鋼メーカーから仕入れた原コイルを切断加工したり、表面処理工場を設立してメッキ加工したりといった付加価値サービスを提供しています。

具体的事例

非鉄金属

商社では、鉄の他にも、アルミ・銅・ニッケルやレアメタルなどあらゆる金属を扱っています。多くの非鉄金属は相場変動が激しいのですが、各種鉱山への出資、精練事業への進出等を通じて、長期的安定供給を目指しています。更に、各種金属の用途開発・需要開拓も商社機能のひとつです。また、実需に基づいた伝統的な物流取引だけでなく、貴金属等のディーリングや、デリバティブを活用した各種投資商品の開発、商品ファンドの組成・販売も行っています。

鉱産資源

鉄鉱石や非鉄原料、鉄鋼副原料などの鉱産資源を開発輸入する事業は、資源の乏しい我が国の戦後の経済成長を支えてきた伝統的な商社ビジネスのひとつです。資源の探索、資源保有国政府や権益保有企業との交渉を行い、出資・融資などを通じて権益を確保、鉱山経営にも直接参画しそのオペレーション状況を詳しく把握するなどにより、需要家への鉱産物原材料の安定供給を図ります。

機械・プラント

商社では、建設機械・工作機械をはじめ様々な機械を扱っています。また、電力プラントや化学プラントなど、海外でのプラント建設にあたっては、特定メーカーにとらわれないグローバルなベストミックスを提案し、ファイナンスから建設、操業、メンテナンスサービスまでトータルのコーディネーションを実行しています。IPP(独立系発電事業)などは、このような商社の総合力を象徴するビジネスといえます。

輸送機械

商社の輸送機械ビジネスは、自動車・鉄道システム・船舶・航空機など陸海空にまたがっています。例えば、自動車の分野では、世界各地で日本車のディーラー網を構築、あるいは海外における組立工場の設立、日系自動車メーカーの工場の海外進出に伴う部品供給やSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)を実行してきました。航空機分野では国内エアラインへの航空機の販売のみならず、ファイナンスリース、オペレーティングリース、中古機体の第三者への販売などを行っています。

情報通信・コンテンツ

商社では、衛星の打ち上げから情報通信ネットワークの構築、携帯電話の端末販売事業まで幅広く情報通信事業を行っています。近年ではハードの取扱だけではなく、アプリケーションの開発、電子商取引などe-ビジネスモデルの構築、映画やアニメなどのコンテンツ制作及び世界各国への販売、衛星放送・CATVなど放送事業への出資及び運営、各種ITビジネスのインキュベーションなどにも携わっています。

建設・不動産

地域総合開発、国内・海外でのマンション・一戸建てなどの住宅の開発・建設・販売・管理、商業施設やオフィスビルなどのサブリース事業なども含めた施設運営、賃貸や流通業務、海外での工業団地開発・販売などを行っています。また最近は、商社活動により蓄積されたファイナンステクノロジーのノウハウを活用した不動産ファンドビジネスなども積極的に進めています。

エネルギー

エネルギー資源を十分に持たない我が国にエネルギーを安定的に供給するために、広範な分野で活動しています。流通の川上では原油・LPG・LNGの開発・輸入、川中では石油精製、原油・石油製品のトレーディング、川下ではLPG販売店やガソリンスタンドの経営まで手がけています。最近では、新エネルギーの開発、電力自由化に伴う電力流通事業、環境関連などへの事業展開も行っています。

具体的事例

化学品

石油化学製品、硫黄・塩などの無機化学品、触媒や脂肪酸などの精密化学品、電子材料、農薬、医薬、バイオ関連など多様な商品を扱っています。石油化学分野では、より高いコスト競争力を求めて海外での合弁事業に投資、エチレンやナフサ、塩ビ・アンモニア・メタノール製造などの事業を行い、そこからの製品の物流・販売をも担っています。汎用化学品分野では、需要家のニーズに合わせた最適供給を目指し、一方で、高機能化学品の用途開発にも積極的に取り組んでいます。

繊維

商社の繊維部門の取り扱いは、衣料だけでなく、インテリア・生活雑貨・寝装寝具・各種産業資材など多岐にわたります。伝統的な綿・ウールなどの原料輸入、糸・織物などの各種製品の流通事業に加え、ブランド開発・輸入・店舗開発及び直営店経営、アパレルに対する内外の生産基地活用による生産機能及びSCMなどの物流機能の提供などを行っています。また、新素材の開発・販売なども繊維メーカーと共同で行っています。

物産

木材・建材や紙・パルプ・チップ、皮革、各種消費財なども商社の取り扱い商品です。木材やパルプ・チップ等の供給にあたっては、世界各地で積極的に植林事業を展開し、環境負荷を極力低減させています。また、消費財分野では、多様な高付加価値商品を取り上げていくことで、人々の生活をより豊かにしていくことを目指しています。例えば、スキーやボウリングその他のスポーツ用品や各種ブランド品、セラミック・陶磁器や家電製品、タイヤ、ゴム製品などを扱っています。

食料・食品

食糧自給率の低い我が国にあって、商社は、海外からの食料・食品輸入を促進することで、日本人の食生活を豊かにしてきました。穀物・粗糖・水産物・畜産物・飲料原料といった原料素材から、酒類・缶詰・酪農製品などの加工食品まで、消費者ニーズに対応した最適な食材を調達し供給しています。特に、供給の安定と食の安全を図るため、国内外において、穀物集荷エレベーターや牧場、食品加工業、卸、小売と川上から、川下までの各段階で直接投資による事業を展開しています。

金融

商社金融といえば、伝統的には企業間信用創造のことでした。また、商社の金融業務というと、為替のディーリングやプロジェクトファイナンス業務等を思い浮かべられる方も多いでしょう。しかし、現在では、ファイナンス・テクノロジー(FT)の高度活用により、各種デリバティブの取り扱い、ファンドの設定・運営管理や販売、M&A、資産流動化ビジネス、リース事業、証券業、投資顧問業、保険関連事業、その他、幅広い分野への展開が図られています。

具体的事例

ロジスティクス

ロジスティクスは商社の基本機能の一部です。製造者と消費者をつなぐ、最適・最速な物流を実現すべく、物流拠点とシステムを整備し、複合一貫輸送体制を確立してきました。物流センターを運営したり、専用船の保有・運用を行ったりもしています。近年では、こうして蓄積されたノウハウを生かし、サプライ・チェーン・マネジメント(SCM)による、取引先や第三者の物流を支援する3PLや物流改善コンサルティングなども行っています。

商品分野によって、商社が果たしている役割や機能もさまざまです。
複雑な鉄鋼の国内流通を支える、海外で資源を探査する、大型プラントを輸出する、海外のユニークな技術や商品を日本市場で紹介する、食糧やエネルギーの安定供給を図る、などその多様性については枚挙に暇がありません。

強いて共通点を探せば、以下が商社の既存事業分野の特色といえるでしょう。

  • パートナーの企業とともに、その分野を開拓してきた商社の歴史があること。
  • 具体的な商品の物流にかかわるものが多数を占めていること。但し、単なる商流ではなく、多くの場合、SCMをはじめとする多様な機能が付加されていること。
  • 国境にとらわれないグローバルな活動が基本となっていること。

既存事業分野は、商社が基礎的な収益を獲得している活動領域ですが、その反面、絶え間ない産業構造の変化やきびしい企業間競争によって、常にスクラップ・アンド・ビルドが行われている世界でもあります。