大きく動き出したインド
“政治そして経済大国への道”
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3.美人そして宝石

 インドは美人の国である。当世のインド美人の筆頭は、アイシュワリア・ライ(http://www.aishwarya-rai.com参照)、女優兼モデルとして超売れっ子の活躍ぶり。彼女の姿を毎日どこかで見かける。ダークグリーンの瞳が何とも言えない魅力である。94年のミス・ワールドである。

 この国では、面白いことに毎週日曜日に特別増刊で花嫁・花婿募集の新聞記事が出る。男女それぞれ約1,500人くらいの人がアピールする。女性は堂々と自分を「beautiful」と自己紹介し希望するお相手の条件を列挙する。一般庶民がこれくらいなのだから、インド美人の例には枚挙に暇がない。

ナブラトリ・ガルバダンスの会場で
ナブラトリ・ガルバダンスの会場で

 われわれが身近にインド人女性の美しさを実感できるのは結婚式やお祭りなどの機会である。15年ぶりに今年10月1日、インドのお祭りに出かけてみた。所は、インドは西にあるグジャラート州、ニューデリーより南西に飛行機で1時間半の距離にあるバローダという街である。ヒンズー教の祭典ナブラトリ(9夜)と呼ばれるお祭りを楽しんだ。この日、当局の発表で入れ代わり立ち代わりで約10万人が踊ったと言う。インド女性の熱気と着飾った衣装とお化粧にただただ唖然(あぜん)とするばかり。一年に一度の大きなお祭りで、参加者は9着衣装をそろえて、毎晩違う衣装でダンスを踊るのが通例である。踊りはガルバとラースの2種類。見学した時はガルバダンスの真っ盛りで5万人が反時計回りをしながら踊っていた。巨大な人のうねりがそこかしこ、観客席にいると、このうねりが時に押し寄せ、時に遠ざかる。しかも時に女性がまとまって押し寄せてくる感じがして迫力がある。

着飾ったインド人の家族
ナブラトリ・ガルバダンスの会場付近で
着飾ったインド人の家族
ナブラトリ・ガルバダンスの会場付近で

 このお祭りの起源は9世紀にさかのぼると言う。9夜毎晩ダンスに明け暮れる。9月27日から連続9日間、10月5日まで毎日毎晩踊り狂う。この日、夕食後の10時に開始、終了は午前1時であった。この街は、今年は雨続きでこの日が初日でかなりの盛り上がりだった。11時半ころ、この祭りの帰りがけに、これから祭りに向かう一組の家族に駐車場の入り口で出逢った。あまりに子供たちのいでたちが立派であったので、写真を所望した。インド人のお金持ちは、小さい時から女の子には一年に一度特別な衣装と宝石を身につけさせて皆が見ている場に出させるのである。

 15年前、ボンベイ駐在時代に家族を連れてバローダを訪問し、当時、年恰好が同じくらいの娘2人にインドの衣装を着せてこのお祭りに参加したことを思い出した。この家族とわが家の決定的な違いは宝石を身につけているかどうかである。当時もそうであったが、インドでは女性に宝石が付きものであることを思い知らされた。インド人は宝石、とりわけダイヤモンドと金が大好きな国民でもある。

 宝石と言えばダイヤモンド。インドはその産出ではなくて、現在カットと研磨で世界的な地位を確立している。最近は宝石のデザインの分野でも注目されている。ちなみに、2002年度のダイヤモンド市場において、金額で言うと世界市場の55%、カラットで言えば80%、数量で言うと何と90%がインドカットと言われる。インドはグジャラート州のスーラット市がダイヤモンドの中心である。祭りで賑わったバローダの南にある街である。2002年度のインドのダイヤモンド・宝飾品の輸出総額は91.5億ドル、全輸出の約18%を占める。2001年9月、米国がインドからの宝石輸入関税を下げたのが契機で輸出が飛躍的に伸びた。

4.終わりに

 当社は、外資に対する規制緩和の環境の下、日本・インド産品の輸出入のみならず、拡大しつつある国内市場に自ら参入し、金融、在庫、流通などの機能を生かした国内ビジネスを拡大すべく、金属・化学品・エネルギー・生活産業グループが現地法人に衣替えをした。プロジェクトものを担当する機械と新機能事業の2つのグループが駐在事務所に残った。成果主義により重きをおいた人事制度を導入し、資質の高いインド人社員のさらなる活用を旗印に、この大きく動き出した大国インドにチャレンジしている。

 21世紀、政治・経済大国をめざすインドは、美人と宝石に囲まれてますます光り輝く存在となることだろう。ビジネスや観光で日本人の往来がさらに増えて、この国の理解が深まり、インドが日本人にとり、より親しみのある国となることを祈念する。そして、われわれはこの国の人たちと一緒に繁栄したいと願っている。


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