会長挨拶・コメント

定例記者会見

会長定例記者会見(2021年9月15日)要旨

菅総理の自民党総裁選不出馬について。
 私自身、非常に驚いたが、新型コロナウイルス対策に専念するためとのご決断を尊重したい。
 今月末に国民の6割が2回目のワクチン接種を完了する見込みであるなど、接種の急速な進展は、菅総理の強いリーダーシップによる賜物と考える。また、2050年カーボンニュートラル実現に向けた政策の推進やデジタル庁の新設など、重要な課題に真摯に取り組み、さらなる経済成長に向けた道筋をつけられたと認識している。
 自民党総裁選挙も控えているが、政府には、引き続き新型コロナウイルス対策の推進および社会経済活動の正常化など、足元の喫緊の課題にしっかりと取り組んでいただきたい。

新型コロナウイルス関連について。
 今月9日、緊急事態宣言が、東京をはじめとする19都道府県を対象に9月30日まで延長されることが発表された。1日当たりの新規感染者数はここ数日で大きく減少しており、重症者数も若干減り出しているが、自宅待機者数に減少は見られず、病床使用率が危機的な水準にある現状に鑑みると、やむを得ない措置であると考える。
 政府には、感染症の流行期である冬の到来にも備え、これまでの対応で浮き彫りになった課題を踏まえた、十分な医療提供体制の確立に全力を挙げていただきたい。
 一方、感染症対策と両立する形で、科学的データに基づき、コロナ禍で停滞した社会経済活動を正常化させるための議論を本格的に行う必要がある。係る状況で、政府が改定した基本的対処方針において、将来的な「ワクチン・検査パッケージ」等を活用した行動制限の緩和に向けた道筋が示されたことを高く評価したい。また、ワクチン接種証明書などを活用した水際措置の段階的な見直しについても、グローバルに事業を展開する商社業界として大いに歓迎する。

9月1日に発足したデジタル庁について。
 日本のデジタル政策を一元的に立案・実行する役割を担う省庁が新たに誕生した。同庁を司令塔とした、各省庁間の縦割りの打破や、自治体システムの標準化、現時点で普及が進んでいないマイナンバーの一層の活用など、行政の効率化と国民の利便性向上に向けた取り組みの推進に期待している。また、デジタル技術の進展に即して、競争法制や個人情報保護法制など、各種業法や規制を抜本的に見直し、国民がデジタル化の恩恵を最大限享受できるようなルール形成にも、積極的に取り組んでいただきたい。

アフガニスタン情勢について。
 イスラム主義組織タリバンがカブールを制圧し、勝利宣言を出してから1か月が経過しようとしている。政府には、引き続き国外退避を希望する関係者が安全に出国できるよう、関係国とも連携の上、しっかりと対応いただきたい。また、現地では、新型コロナウイルスの感染拡大に加え、食料不足や物価の高騰で国民生活が危機に瀕している。政府には、国際社会と協力して人道支援の実行とともに、アフガニスタンが孤立し、再びグローバルなテロの拠点や温床とならぬよう、同国の安定化に向けた必要な支援も検討願いたい。

質疑応答

(記者) 総裁選で求められるリーダー像、新政権への期待は?

(会長) 日本は戦後、官民協力の下、経済発展を遂げてきた。今後も官民が協力し、いかに感染症対策と両立する形で社会経済活動を正常化していくのかが最大の課題であり、その司令塔足る人材が求められる。日本の国益に沿った経済政策を打ち出してもらいたい。対外政策については、海外の論調や動きに対し、わが国の国益を踏まえてどう対応するかをしっかり検討し、国民に説明できる人材が求められる。

(記者) 政府の行動制限緩和方針に対する評価は?

(会長) 経済活動においては、入国者の隔離期間短縮などの水際対策、ワクチンパスポート・陰性証明の活用による緩和措置に期待する。一般生活においては、コロナと共存しながらどのように活動を正常化していくのかが重要であり、疫学的検証に加え、これまでの経験値に基づいて制限緩和を行うべき。

(記者) 原発の新増設に対する見解は?

(会長) 2050年カーボンニュートラル実現に向けては、再エネに加え、バックアップ電源が必要であり、安全性の担保を条件とした原発の必要性につき、早期に議論を開始すべき。

以上