2003年度前期 大学における環境講座の実施

(地球環境委員会)
 日本貿易会地球環境委員会では、2003年度前期において、武蔵工業大学環境情報学部2年生を対象とした特別講座を実施しました。

 講師はいずれも現役商社マンで、地球環境委員会委員会社のうち8社から10名の方に講義いただきました。受講者数は約160名に上り、環境情報学部2年生全体の約8割が受講する人気講座となりました。

 毎回、講義後に学生へのアンケートを実施し、各講座に対する評価、および学生の意識の変化を調査しました。その結果、各テーマに対する興味、関心がある学生は全講座平均で、受講前46%から受講後81%へと増加し、講義によって学生に意識の変化がもたらされたことが分かります(図1参照)。

 また学生からは、「外からは見えにくい商社を身近に感じ、商社の具体的活動を理解する貴重な講座であった」と好評を得ており、商社活動のPRにつながりました。

 特別講座全体を通じたアンケートでは、90%以上の学生が有益であったとし、今回の特別講座の実施が高く評価されています(図2参照)。


図1 テーマに関する関心、関心
図2 今回の特別講座について


学生の感想

企業の環境に対する取り組みの概観がよく分かった。通常の大学の講義とは違った視点に立った話を聞けたことが一番有益であった。

具体的な企業活動を知ることができ、大変有益であった。環境がビジネスとして成立しているのを知り、認識を新たにした。

商社は政府よりも、地域に密着し、環境配慮があると思った。これからさまざまな企業、また自治体と手を組んで環境問題の解決に力を入れてほしい。

商社マンが誇りを持って働いていると感じた。今まで商社の仕事はかなり漠然としていたが、少し分かってきたような気がした。商社がさらに環境問題に取り組んでいくことで、社会全体の環境問題への意識を高めていってほしい。


武蔵工業大学横浜キャンパス 授業風景
武蔵工業大学横浜キャンパス 授業風景


特別講座「企業と環境」テーマ・講師リスト


(敬称略・講師所属名は講義実施日のもの)
実施日 テーマ 講師
4月8日 開講にあたっての趣旨説明 丸紅(株)
地球環境・ISO室長 渡辺 芳彦
環境リスクマネジメントの
具体的手法

日商岩井(株)
環境21室長 大田原 誠

4月15日 環境管理と環境ビジネス 伊藤忠商事(株)
地球環境担当部長 清水 寿郎
5月6日 地球温暖化の一般論 三井物産(株)
地球環境室長 服部 正幸
5月13日 地球温暖化と京都メカニズム 住友商事(株)
地球環境部長 山本 隆三
5月27日 燃料電池自動車用
水素ステーションの開発
岩谷産業(株)
技術部技術企画担当 広谷 龍一
6月3日 環境適合型繊維製品 蝶理(株)
事業開発室 理事 井染 靖夫
6月10日 上下水道・廃棄物処理事業における
フランスモデル
日本ユーティリティ・マネージメント(株)
社長 山崎 敬文
(丸紅(株)より出向中)
6月17日 廃棄物処理リサイクル事業 三井物産(株)
電機・プラントプロジェクト本部
プロジェクト開発部次長 中島 輝明
7月1日 食品リサイクルシステム構築のための
総合商社としての取組み
住友商事(株)
設備システム部課長 金岡 秀紀

7月8日

熱帯林再生実験プロジェクト

国際生態学センター
企画部長 橋本 良昭
(三菱商事(株)から出向中)