伊藤忠商事株式会社(以下 伊藤忠)は、世界最大のバイオベンチャーキャピタルグループである米国MPM Capital(以下 MPM)と共同で、医薬品開発・販売ベンチャー会社「JapanBridge, Inc」(以下 JB)を2006年11月21日に米国デラウェア州に設立しました。
JBは、欧米で開発が進められている新薬のアジア(日本を含む)における開発・販売権を、MPMの投資先であるバイオベンチャー及び大手製薬会社からインライセンスし、日本国内で臨床開発(CROを利用)を実施。その後、製薬会社へアウトライセンス、或いは自社販売により収益化を目指します。JBは、2010年度には日本でのIPOを目指します。
今回の資金調達(シリーズA)1.3百万ドルにより、JBはインライセンスする開発品目の選定を進めます。その後1年後に予定される資金調達(シリーズB)では、拠点をデラウェア州から日本へ移し、インライセンスした開発品目の臨床開発を開始します。またシリーズB以降には、有力製薬会社1社をJBに招聘し、臨床開発及び許認可取得のためのサポートを得る予定です。このパートナー会社は、将来の開発品目導出や協同販売の候補となります。
伊藤忠はJB立ち上げ時より参画することにより、将来のIPO・M&Aによるキャピタルゲインのみならず、中間体ビジネス、MR派遣ビジネス、治験ビジネス、開発ツール・ソフトウェアビジネス、物流ビジネス等を狙います。
先端技術分野においてバイオ医薬ビジネスを重視している伊藤忠は、2002年にMPMの3号ファンドへ20百万ドルの出資をして以来、MPMとは良好な関係を有していますが、MPMと共同でJBを設立し、MPMとの関係を一層強固なものにします。MPMと協力して日本におけるJB立ち上げのみならず、今後海外における有望案件の共同開発・推進も狙い、バイオ医薬分野での収益の拡大を目指します。
現在地 | 1209 Orange Street, Wilmington, Delaware, USA |
---|---|
資本金 | 1.3百万ドル |
出資者 | MPM1.05百万ドル(80.8%)、伊藤忠0.25百万ドル(19.2%) |
取締役構成 | 3名(MPM2名・伊藤忠1名) |
本社所在地 | John Hancock Tower, 54th Floor, 200 Clarendon Street, Boston, MA, USA |
---|---|
設立 | 1992年 |
創立者 | Dr.Ansbert Gadicke |
GP数 | 8名 |
運用資金 | 24億ドル |
投資先企業数 | 約70社 |
1992年に米国ボストンに設立され、総額24億ドル超を運営し、約70社の創薬系バイオベンチャーに投資している世界最大のバイオベンチャーキャピタルグループ。合計8名のジェネラルパートナーは全米トップバイオベンチャーキャピタリストをはじめ、大手製薬企業やバイオ企業の元幹部からなり、合計12名のアドバイザリーボードにはノーベル医学生理学賞受賞者や、前FDA(米国食品医薬品局)長官、ハーバード大学医学部教授など実力者が名前を連ねる。