創薬は知的労働集約事業:蝶理

私たちが日常服用する薬にも、アスピリンのように開発されてから何十年も経過する薬もあれば、つい最近世に出たばかりの新薬もあります。一般的に新薬の開発には10年から20年かかると言われています。しかもその中から、実際に医薬品としての商品化されるのはほんの僅か。どの開発段階で測るかにも拠りますが最終商品化率は1%にも満たないかもしれません。新薬が高いワケです。

新薬は、次のような段階を経てようやく販売されます。この中で当社ライフサイエンス部は(2)、(3)、(4)の段階で事業展開しています。

(1)薬品になりそうな候補物質の設計、選定
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(2)その化合物類の合成
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(3)候補化合物の薬効、毒性,安全性試験
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(4)工業化の検討、研究
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(5)臨床試験
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(6)製造承認申請,許可

新薬開発と言えば、優秀な研究者が難しい顔をして試験管を振っている姿をイメージしがちですが、実際は、初期段階の(1)、(2)では、とにかく薬になりそうな物質を総当りでつくり出し合成するという労働集約型作業です。
製薬会社が候補とする化合物の提示を我々が受けて(段階(1))、多いときには1万個にもおよぶ化合物(数mg~1g程度/個)を半年から1年かけて合成する仕事(段階(2))を、ライフサイエンス部では発展めざましい中国にある創薬支援会社の協力のもと実施します。
同時に、ある程度絞り込みの済んだ化合物の工業化を検討したり、数十g~数百kg~数トンを実際に製造する(段階(4))こともあります。
中国でそんなことができるのかと疑問に思われる方も多いでしょうが、我々のパートナーはこの分野では世界最高レベルの研究設備を誇っており、優秀な人材が事業を推進しています。
優秀な人材と設備、それと中国の豊富な労働力のサポートを得ながら、ライフサイエンス部はこの知的労働集約型事業を展開しているのです。