近年、地球温暖化対策への意識の高まりに加え、エネルギーセキュリティーの観点から、バイオ技術を役立てようとする動きが出てきています。バイオディーゼル燃料(BDF)もその中の一つで、環境対応型の軽油代替燃料として欧州を中心に普及が始まり、今後は世界的に需要が高まることが期待されています。しかし、地域により、原料の量・質にばらつきがあることから、生産に関わる経済性と、高品質の確保が課題となっています。
豊田通商は、グループ企業の豊田ケミカルエンジニアリング株式会社、および太田油脂株式会社と共同で、低コストで高効率・高品質のBDF製造プロセスを開発しました。本製造プロセスは、工業用水や排水施設が不要、小規模生産から大規模生産のニーズにも対応可能などの特徴を持っているため、ユーティリティインフラの整備が進んでいないような地域での地産地消型事業を実現できます。なお、本製造プロセスによって製造されたBDFは、燃料品質の高さが認められて、ダカールラリー2008の競技車両用燃料に採用されています。
同社では、今後、BDF事業に加え農業残さなど未利用資源のエネルギー化、素材化をテーマに独自技術を確保し、環境貢献と事業化を両立させ、また、国内外での地産地消型ビジネスモデルの検討も進めていく計画です。
バイオディーゼル燃料製造装置