長瀬産業は、環境問題に対してきちんと取組むことを企業理念に掲げ、1999年に地球環境委員会を組織するとともに、「環境に配慮したビジネス展開」や「エコビジネスの促進」といった事業活動を通じて、持続可能な「循環型経済社会」実現に努力しています。以下にご紹介するのは、長瀬産業の取り組みの一部です。
―薬品回収再生システム
液晶工場
「ゼロエミッション」とは、1994年に国連大学が提唱したコンセプトで、社会全体の廃棄物(Emission)をゼロにするとの考え方です。長瀬産業では、このゼロエミッションに少しでも役立つべく、半導体やLCD製造過程における薬液の性状をモニタリングし、安定的な工程を確保するとともに、使用済み液を循環再利用するケミカル・マネジメント・システム(CMS)を開発しました。
このシステムは、世界中の液晶工場で採用され、顧客のコストダウンと環境負荷低減に大いに役立っています。
―廃溶剤回収システム
単独の企業で廃棄物をゼロにすることは簡単ではありません。そこで、長瀬産業では発生する廃棄物を別の産業での原料として利用するというコンセプトで廃溶剤の精製回収を紹介しています。自社工場内でのリサイクル使用はもちろん、自社でリサイクル使用できない廃溶剤を精製回収し、別の産業で原料として利用いただけるようご紹介しているほか、排出物を有用物、有価物化してゼロエミッションへの支援を行っています。また、東南アジアでもこの概念で廃溶剤回収のシステム化を検討しています。
―Nagase FineChem Singapore(Pte)Ltd.
Nagase Singapore(Pte)Ltd.
ナガセと製造子会社ナガセケムテックス(株)およびNagase Singapore(Pte)Ltd.は、東南アジア域内の液晶、半導体および電子デバイス製造に使用される関連ケミカル(薬液)の生産と使用済みの薬液リサイクル機能を持つ生産会社を2001年9月、シンガポールに設立しました。この新会社の特長は、自ら生産販売したケミカル(薬液)の使用済み液を回収・再生することにより、限られた資源の有効利用を図るとともに、廃棄物の低減によって環境負荷の低減を可能にさせることです。この事業で、シンガポール政府からは同国にとって有益でかつ新規な企業に対して与えられる特典Pioneer Statusを取得しました。
ナガセグループは、日本、韓国、台湾、シンガポール他の生産拠点とネットワーク化を図り、アジア全域で環境に優しい液晶、半導体および電子デバイスの製造に使用されるケミカル(薬液)の製造販売、廃ケミカルの回収再利用を行って参ります。