私たちの経済活動は、石油などの化石燃料、鉄鉱石やアルミニウム、レアメタルなどの鉱物資源によって支えられていますが、これらの地下資源は人口増加や経済発展により将来的に枯渇する可能性が高いといわれています。また、これら資源採掘による地球環境に対する負荷も懸念されています。持続可能な社会を実現するためには、これら資源の利用を可能な限り少なくすることが求められており、そのために廃棄物を資源として再利用することや、環境に配慮したリサイクルを考える必要があります。例えば、ビルの解体や、廃棄自動車などから選別回収される鉄スクラップの年間消費量は全世界で約5億トンに達し、日本でも年間約4,000万トンが発生、回収されています。鉄スクラップを原料とする電炉法は、鉄鉱石・石炭を原料とする高炉法に比較してCO2排出量が 1/3未満と言われており、全世界での鉄スクラップ発生量の増加や来たるべき低炭素社会、更なる世界鉄鋼需要を鑑みるに、鉄スクラップの需要は年々増加すると見られています。
当社は、2007年に、世界最大の総合リサイクル企業であるシムス社に出資(現在、17.7%)し、同社を通じて海外におけるメタルリサイクル事業(鉄・非鉄スクラップ)や環境リサイクル事業(廃家電リサイクル、ごみ処理)を積極的に進めています。国内では100%子会社の三井物産メタルズが、鉄スクラップの分野で20年超の経験と実績を有し、現在ではメタルスクラップ、銑鉄、合金鉄、非鉄金属屑、特殊鋼屑などの国内・貿易事業や環境ソリューション事業を中心に、国内最大級の「総合メタル&リサイクル会社」として成長を続けています。また、当社が33.5%出資する共英リサイクル(山口県小野田市)では、産業廃棄物を無害化処理し、熱エネルギーとして再利用するガス化溶解プラントを有し、日本国内の最終処分場(埋立地)逼迫問題へのソリューション等を提供しています。
当社は、資源危機時代と循環型社会の到来を見据え、産業の持続的発展と豊かな社会の構築のため、総合リサイクル事業に取り組んで参ります。
(2013年1月時点)