燃料電池は、発電時に水しか出さない、つまり大気汚染の原因となるCO2、NOx、PM等の有害物質の排出がなく環境対策の切り札として注目されています。燃料電池車は、燃料電池とモーターを備え、車に積まれた水素と空気中の酸素が化学反応した時に発生する電気を利用して走る究極のエコカーであり、世界の自動車市場を一変させるインパクトを持っています。国のプロジェクトにおいては、燃料電池を搭載した一般乗用車が早期に実用化されるよう産業界を支援しています。
燃料電池車の普及には、自動車メーカーによる一層の技術革新と、水素燃料を供給する水素ステーションの整備がかぎとなります。岩谷産業では、現在、全国で11箇所ある水素ステーションのうち、2ヶ所の建設・運営に参画、また、2006年4月より大阪・堺市に国内最大規模の液化水素製造能力を有する『ハイドロエッジ』を稼動させました。来るべき水素社会へ向けてインフラ構築に力を注ぐとともに、2007年9月末から約一ヶ月間かけて、鹿児島県種子島の宇宙センターから北海道稚内市までの5,930kmを「燃料電池車・水素自動車キャラバン」によって走破するなど水素についての啓発活動に取り組んでいます。キャラバンの全行程中、サイエンス教室34回、試乗会42回を開催し、のべ9,000名の方がたに水素エネルギーを体感いただきながら、各地で新エネルギーに取り組む自治体や教育機関、民間団体との交流を行うなど、明日の水素エネルギー社会へ向けたネットワーク作りを行っています。