PFC 分解・回収リサイクルシステム:岩谷産業

1997年に開催されたCOP3(気候変動枠組条約第3 回締約国会議)で、日本は2008~2012年の間にCO2排出量を1990年レベルより6%削減することを国際公約しました。その削減対象の中には、半導体や液晶デバイス製造のエッチングやチャンバークリーニングの重要なプロセスで使用される地球温暖化係数が極めて高いPFC(パーフルオロコンパウンド)、HFC(フルオロカーボン類)も盛り込まれました。これにともない、半導体業界ではPFC・HFC排出量を2010年に95年比10%減、液晶業界では2010年に2000年レベルにする自主削減目標を策定していますが、消費量は年々増加しており、代替ガスの研究もあまり進んでいません。

岩谷産業は、「ガス&エネルギー」をキーワードに、暮らしや産業を支えるためにかけがえのない資源を取り扱う企業として、常に地球環境を意識した商品開発に取り組んでいます。再生可能エネルギーとして期待される水素技術の開発を中心に、グループを挙げてCO2削減につながるさまざまな産業機器やガス技術を提案しています。同社では、バーナーの火炎を用いて直接PFCを分解させ、分解した毒性の強いフッ化水素をアルカリで中和させる燃焼式分解・除害装置をいち早く開発して商品化し、現在では、ユーザーの用途に合わせてラインアップも拡充させています。


PFC燃焼式分解・除外装置「ダイナガード」

また、究極のPFC削減対策として、半導体製造プロセスで使用した後のPFCを回収し、濃度90%以上のフッ化カルシウムに変換することで、蛍石の代替物質フッ化カルシウムに再生するリサイクル技術も提供しています。蛍石は、フッ化カルシウムの原料で、その多くを中国からの輸入に依存しています。る日本にとって、このリサイクルシステム技術は、結果的にエネルギーコストを削減する大きなメリットをもたらす画期的な技術として非常に期待されています。同社は、地球温暖化係数ゼロで、PFCの代替として期待のかかる三フッ化塩素の拡販とともに、リサイクル技術にも積極的に取り組んでいます。


PFC分解・回収リサイクルシステム