日本貿易会は2014年から会員各社のダイバーシティ推進を支援するため、ダイバーシティ推進コミッティを人事委員会の傘下に設置し活動を展開しています。
11回目となる今回は、前回も大変好評であった「海外駐在経験のある商社ウーマンによるパネルディスカッション」を下記のとおり開催しました。
商社業界では、女性比率も徐々に上がり活躍が進んできている一方で、女性社員の海外駐在率はまだまだ低いという状況があります(特に営業部門)。そのような中で、先陣を切って海外駐在を経験し、活躍する商社ウーマンは貴重なロールモデルです。今回、ダイバーシティ推進コミッティ座長をモデレーターに、住友商事、豊田通商、丸紅、三菱商事から4名のパネリストをお迎えし、これまでのキャリア、海外駐在の掴み方、ライフイベントとの両立、海外での仕事と生活(日本との違い)、駐在を経験して良かったこと等について発表いただき、その後、パネルディスカッションおよび質疑応答を行いました。会員商社からの女性社員約110名で会場は満員となり、参加者は熱心に耳を傾け、質疑応答も活発に行われました。その後の交流会も、約50名の方に参加いただき、商社業界のネットワーク作りの機会となり、大変盛況でした。
参加者アンケートも大変満足度の高い評価をいただき、「自らチャンスを作りキャリアを広げていった姿はとても印象的だった」、「自分のキャリアに枠を設けないという点において背中を押してもらえた」という前向きな意見が多く寄せられました。
今回のパネルディスカッション第2弾も、お申込みをお断りせざるを得ない程、多くの申込みをいただきました。商社の女性総合職の皆様が海外駐在に強い関心と少しの不安をお持ちだと分かりました。
世代も所属も駐在地も異なる4者4様のパネリストに共通していたのは、“異動も駐在も希望は諦めることなく伝え、叶えてきたこと”でした。時に、自分の価値観や外部要因で望んでいない業務に就くことがあっても、目の前の業務に一生懸命取り組んでいると、サポートしてくれる人が現れ、いつか実現する。参加者の多くから、「パネリストの皆さんが悩みながらも自らチャンスを作りキャリアを広げていった姿に勇気づけられた」という趣旨のコメントをいただきました。パネリストがおっしゃった「なんとかなる」「チャレンジ」「欲望に素直に」「自分で自分の足かせを外す」等.は、参加者全員に響いたのではないかと思います。パネリストの皆様、モデレーターの池内様、お忙しいところ、本当にありがとうございました。皆様の益々のご活躍を期待しています。(政策業務第三グループ 中村志保)
「悩むよりも、一歩踏み出す勇気」
「比較的若い時期に途上国駐在を二度も経験できたのは、とても幸運であり、キャリアの土台になりました。私の場合は途上国だったため、特にカルチャーショックを受けたり、すぐに頼る人もいなくてどう動けばよいか分からなかったり苦労した事も多々ありましたが、大きな機会に取り組むことで成長に繋がる経験がたくさんできましたし、新興市場でパイオニアになることはとても楽しいものでした。駐在を通して、友人が増え、視野が広がり、かけがえのない経験ができました。途上国駐在というと心配される方も多くいらっしゃるかもしれませんが、パイオニアになれるメリットもありますし、会社のサポートもきちんとありますので、『なんとかなる』。考え過ぎず、一歩踏み出す勇気が大事だと思います。」