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大切な資源をどこからどのくらい輸入しているんだろう。 わたしたちの国では、暮らしに欠(か)かせない資源のほとんどを、外国からの輸入にたよっているんだ。ここでは、おもな資源をどこからどのくらい輸入しているかを見てみよう。 |
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石油は燃料、そして原料として高度成長期以降ずっと日本の産業を支えてきた重要な資源で、その8割以上を中東の産油国から輸入しています。二度のオイルショックのあと、中東以外の国からの輸入を増やし、中東の割合が7割くらいまで下がった時期もありました。しかし、新しい輸入先になった中国やインドネシアなどアジアの国が経済発展とともに輸出していた石油を国内で使うようになったことなどから、中東の割合がまた高くなっているのです。
天然ガスが日本で本格的に使われるようなったのは1970年代に入ってからで、現在では一次エネルギーの2割以上を占めるようになっています。その輸入先は、マレーシア、オーストラリア、インドネシアをはじめ中東以外の地域の割合が7割になっています。また、日本の輸入量は、世界の天然ガス貿易の約3分の1を占めています。
石炭は、かつては国内生産が中心でした。しかし、1970年代に入ると海外からの輸入量が国内の生産量を上回り、現在では99%以上を輸入しています。主な輸入先はオーストラリア(約6割)、インドネシア(約2割)、ロシア、カナダで、この4カ国で輸入量の9割以上になります。
日本は工業立国であり、世界的に見ても金属資源を多く使っている国です。中でも、ステンレス鋼の原料となるニッケル、電子基板や液晶パネルにも用いられているモリブデン、自動車の排気ガスを浄化するための触媒として使われるプラチナといったものは、全世界の1割あるいはそれ以上を消費しています。ところが、日本は金属資源の大部分を海外からの輸入に頼っていて、その輸入先はほぼ地球全域に及んでいます。このため、世界各国から鉱物資源が安定的に日本に供給されるように、国や商社が重要な役割を担っているのです。