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商社の特徴と役割

  • 1. 商社の仕事の特徴
  • 2. 貿易における商社の役割
  • 3. 商社の事業投資活動

1. 商社の仕事の特徴

「ミネラルウォーターから通信衛星まで」

「ミネラルウォーターから通信衛星まで」といわれるように、商社の取り扱(あつか)う商品の幅(はば)はとても広く、いろいろな業種・分野にまたがっています。機械、プラント(大型の機械設備)、通信機器、金属、鉱産物、エネルギー、化学品、繊維(せんい)、穀物、食品など、幅(はば)広い業種と、「川上から川下まで」あらゆる分野にかかわり、普段(ふだん)私たちが日常生活で使っているモノから、部品や原材料まで、広範(こうはん)な商品を取り扱っています。
また、最近ではファミリーレストランやファーストフードなどの外食産業、スーパー・コンビニエンスストア、携帯(けいたい)電話などの移動体通信事業といったサービス産業や再生可能エネルギー事業、新分野のビジネス開発にもかかわっています。

活動の舞台が全世界(グローバル)

商社の活動の舞台(ぶたい)は全世界(グローバル)にまたがっています。取引の形態でいうと国内、輸出、輸入、外国間取引の4つがあります。
また、鉄鋼やエネルギーなどの素材・原料の輸出入や、電力・プラント(大型機械設備)、上下水道などのインフラ海外プロジェクトに関しては、そのかなりの部分に商社がかかわっています。
アメリカやヨーロッパ、アジア諸国では、事業への投資と、それにかかわる貿易(ぼうえき)取引が拡大しています。一方、中南米、中東、アフリカ諸国では、日本や海外の金融(きんゆう)機関などと連携(れんけい)しながら資金調達面での協力などを中心とする取引がより多くなっています。

経営規模(きぼ)がとても大きい

商社は、経営規模(きぼ)がとても大きいのです。大手商社7社の2008 年度の売上高の合計は、約82 兆円(子会社・関連会社などの売上も含む連結ベース)でした。
大手商社は、ある特定のビジネスに進出するために新しい会社を作ったり、すでにある企業を買収したりします。こうしてできた「事業会社」は4,000 社近くあり、一大企業グループを形成しています。これが大手商社が「会社を創る会社」とも言われる理由です。商社はこれらの事業会社と協力することで巨額(きょがく)の売上をあげることができています。
なお、商社は1980 年代までは規模や売上高をあげることを重視していましたが、90年代以降は、収益を重視するようになってきています。

川上から川下までのバリューチェーン

BSE(ビー・エス・イー)問題で一時アメリカ産牛肉が輸入できない状態が続きました。輸入をしているだけなら、指をくわえて待っているしかなかったのですが、今の商社は違います。安全な牛肉を確実に輸入するために川上からビジネス展開しているのです。外国での牧場経営にまで乗り出している商社もあります。さらに、その肉牛を飼育するための飼料は、バイオ・テクノロジーで開発したり、別の国から三国間貿易で輸入して来たりしたものです。
一方、川上だけでなく、川下にもビジネスの領域を広げています。輸入された、牛肉は加工工場に回され、最終的にはステーキや焼肉などの外食レストランチェーンや、スーパーや量販店などを通じて私たちの食卓に上がってきます。商社は、今ではこのような流通業にまで投資し経営に参画しているのです。

私たちが、スーパーやレストランでその牛肉を手にする時、その商品に出荷される前から着けられていたIC(アイ・シー)タグによって、どこの国のどこの牧場の誰が育てたどんな牛肉なのかがわかるようになりました。これも商社の手によるものです。
このように牧場経営から輸入、そして流通に至るまでの「川上から川下まで」の一連の流れの各々の場において、価値を創造していくことを「バリューチェーン(価値のくさり)」といい、今の商社が最も重視しているビジネス展開なのです。

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