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日本貿易の現状と課題

  • 1. 日本の貿易の特徴
  • 2. 日本の主な輸出入品
  • 3. 日本の主な貿易相手国
  • 4. 日本貿易の課題

2. 日本の主な輸出入品 - 日本はどのようなモノを貿易(輸出入)しているのかな?

世界での有数の貿易大国であり、たくさんの品物を輸出したり、輸入したりしている日本。このページでは、日本がどのような品物を貿易しているのか?そして、それはどこの国との貿易なのか?図で見てみましょう。

ここがポイント!このページではココをおさえておこう

  • 2012年、輸出は自動車、自動車部品、電気機器などが減少し、輸入は原油、LNG(液化天然ガス)などが原油価格の高騰やストップする原子力発電所を代替する火力発電向けLNG需要が高まり増加しました。

輸出の傾向(けいこう)

  • 日本の輸出の主力品目は、自動車などの「輸送用機器」、半導体等電子部品、映像機器、通信機などの「電気機器」、電算機類および同部分品、原動機などの「一般機械」。
  • 鉄鋼の輸出は、韓国、中国、タイ向けが多くを占めています。
  • 電気機器の「半導体等電子部品」の輸出は、アメリカとドイツ以外はほとんどがアジア諸国向けです。
  • 自動車は、アメリカへの輸出が圧倒的に多く、自動車の組み立てのために使う部品類は、アメリカへの輸出が一番で、そのつぎが中国向け。エンジン(原動機)でも、1位、2位が、アメリカ、中国の順です。
  • 化学品の「プラスチック」や「有機化合物」の輸出は、アメリカ以外は、アジアの諸国向けがほとんどです。

輸入の傾向

  • 日本の輸入の主要品目は、原油や石炭、LNG(液化天然ガス)などの「鉱物性燃料」です。発電や自動車などの燃料に使われ、他の品目に比べて圧倒的に輸入額が大きくなっています。
  • 自動車、船舶、飛行機の燃料や工場の動力用燃料などになる原油は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦などほとんどを中近東から輸入しています。
  • 発電の燃料や都市ガスなどの原料になるLNGは、カタール、マレーシア、オーストラリア、ロシアなどからの輸入が多くを占めています。2012年は、カタールからの輸入か多くなり第1位(前年4位)、ロシアからの輸入も増えて4位(前年6位)となったことが特徴です。
  • 衣類は、ほとんどを中国から輸入しています。
  • 銅や鉛、アルミニウムなどの「非鉄金属」は、南アフリカ共和国、中国、ロシアなどから輸入しています。
  • 食料は輸入に頼っているモノが多く、とうもろこし、大豆、小麦ともにアメリカからの輸入が大部分を占め、その他はブラジル、カナダ、オーストラリアなどからの輸入となっています。
もくじ
  • 日本はたくさんの品物を輸出していますが、主にどこの国へ輸出しているのかな
  • 日本の輸出品上位10品目の推移
  • 日本はたくさんの品物を輸入していますが、主にどこの国から輸入しているのかな
  • 日本の輸入品上位10品目の推移

日本はたくさんの品物を輸出していますが、主にどこの国へ輸出しているのかな

日本の輸出額がもっとも大きい自動車は、アメリカへの輸出が圧倒的(あっとうてき)に多いのですが、自動車を組み立てるために使う部品類は、アメリカへの輸出が一番多く、そのつぎに中国、タイ向けとなっています。これは、日系企業による、自動車の現地生産が増えていることによります。エンジン(原動機)でも、1位、2位、3位が、アメリカ、中国、タイの順となっています。
鉄鋼(てっこう)は、韓国(かんこく)や中国向けの輸出が多く、これらの国の景気が良くビルや工場などの建設や自動車で使われています。
半導体(はんどうたい)等電子部品(IC等)、映像機器、通信機などの電気機器の輸出は、アメリカとドイツ以外はほとんどがアジアの国々向けです。ICは、パソコンやゲーム機器以外に自動車や冷蔵庫などいろいろな製品に幅広(はばひろ)く使われるようになり、それら製品の組み立てをアジア各国に製造拠点(せいぞうきょてん)を移した日系企業の工場などで請(う)け負(お)っていることから、ICをたくさん必要としているためです。また、アジアの国々が豊かになってきたことから、テレビなどの家電をはじめ、いろいろな電気製品などが売れていることも理由の一つです。
プラスチック、有機化合物などの「化学製品」の輸出も、アジア向けがほとんどです。これもICや自動車部品の理由と同じように、日本から輸出されたプラスチックなどがアジアの国々の日系企業の工場で製品に組み立てられて再輸出される、あるいは組み立てられた国々の中で販売されているからです。

【日本の主な輸出品と輸出先】

日本の主な輸出品と輸出先

【輸出上位10品目の移り変わり】

順位 1990年
輸出総額 41兆4,569億円
2000年
輸出総額 51兆6,541億円
2005年
輸出総額 65兆6,565億円
2012年
輸出総額 63兆7,435億円
1 自動車 17.8% 自動車 13.4% 自動車 15.1% 自動車 14.5%
2 事務用機器 7.2% 半導体等電子部品 8.9% 半導体等電子部品 6.7% 鉄鋼 5.5%
3 半導体等電子部品 4.7% 事務用機器 6.0% 鉄鋼 4.6% 半導体等電子部品 5.2%
4 映像機器 4.5% 科学光学機器 5.1% 自動車の部分品 4.3% 自動車の部分品 5.0%
5 鉄鋼 4.4% 自動車の部分品 3.6% 科学光学機器 3.8% 原動機 3.5%
6 科学光学機器 4.0% 原動機 3.2% 原動機 3.3% 科学光学機器 3.3%
7 自動車の部分品 3.8% 鉄鋼 3.1% 有機化合物 2.9% プラスチック 3.2%
8 原動機 2.7% 映像機器 2.7% 映像機器 2.7% 有機化合物 2.9%
9 音響機器 2.3% 有機化合物 2.3% プラスチック 2.6% 船舶 2.7%
10 通信機 2.1% プラスチック 2.0% 電気回路等の機器 2.6% 電気回路等の機器 2.5%

※数字は、輸出総額シェアです。
出典:財務省統計より

日本の主な輸出品目の輸出先(2012年)

【自動車】

自動車の輸出先(2011年)

【鉄鋼】

鉄鋼の輸出先(2011年)

【半導体等電子部品】

半導体等電子部品の輸出先(2011年)

【自動車部分品】

自動車部品の輸出先(2011年)

【原動機(エンジンなど)】

原動機(エンジンなど)の輸出先(2011年)

【プラスチック】

プラスチックの輸出先(2011年)

出典:財務省統計より

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日本はたくさんの品物を輸入していますが、主にどこの国から輸入しているのかな

日本の輸入の主要品目は、原油や石炭、LNG(液化天然ガス)などの「鉱物性燃料(こうぶつせいねんりょう)」。発電や自動車などの燃料に使われ、ほかの品目に比べて圧倒的(あっとうてき)に輸入額が大きくなっています。自動車、船舶(せんぱく)、飛行機の燃料や工場の動力用燃料などになる原油は、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(しゅちょうこくれんぽう)などほとんどを中近東から輸入しています。発電の燃料や都市ガスなどの原料となるLNGの輸入は、カタール、マレーシア、オーストラリア、ロシアなどからが多いことがわかります。
工業用製品の原料としてとても重要な、銅(どう)や鉛(なまり)、アルミニウムなどの「非鉄金属」の輸入は、南アフリカ、中国、ロシア、韓国などの国々から輸入しています。
食料は輸入に頼っているモノが多く、小麦、とうもろこしは大部分がアメリカ、その他にはカナダ、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチンから、大豆も大部分がアメリカ、その他にはブラジル、カナダから輸入しています。食料自給率の低さが問題であるといわれる日本では、国内で作る食料を増やして自給を高めたいと考えられていますが、輸入したほうが安い値段で手に入れられる食料が多いことから、輸入に頼ってしまうという傾向があります。しかし最近では、"食べるものについてはより安全・安心なモノを"といって、国内産を買う人や企業が増えています。
衣類は、8割以上が中国から輸入されていて、最近は一流ブランド品の洋服や靴(くつ)なども、中国で作られているモノが非常に増えています。皆さんが着たり履(は)いたりしているモノも、タグ(裏側についている小さな添(そ)え書き)に、〝メイド・イン・チャイナ(Made in China)〟と書かれているものが増えていることに気づいている人も多いのではないでしょうか。

【日本の主な輸入品と輸入先】

日本の主な輸入品と輸入先

【輸入上位10品目の移り変わり】

順位 1990年
輸入総額 33兆8,552億円
2000年
輸入総額 40兆9,384億円
2005年
輸入総額 56兆9,493億円
2012年
輸入総額 70兆6,743億円
1 原油及び粗油 13.5% 原油及び粗油 11.8% 原油及び粗油 15.5% 原油及び粗油 17.3%
2 魚介類 4.5% 事務用機器 7.1% 衣類・同付属品 4.3% LNG 8.5%
3 石油製品 4.1% 半導体等電子部品 5.2% 半導体等電子部品 4.1% 衣類・同付属品 3.8%
4 衣類 3.7% 衣類・同付属品 5.2% 電算機類
(含周辺機器)
3.6% 石油製品 3.5%
5 木材 3.2% 魚介類 4.0% LNG 3.5% 石炭 3.3%
6 LNG 2.8% LNG 3.4% 音響映像機器 2.8% 通信機 3.0%
7 自動車 2.7% 科学光学機器 2.3% 魚介類 2.7% 医薬品 2.7%
8 石炭 2.6% 石油製品 2.3% 石炭 2.7% 半導体等電子部品 2.5%
9 事務用機器 2.2% 肉類 2.3% 石油製品 2.6% 電算機類
(含周辺機器)
2.3%
10 肉類 2.1% 音響映像機器 2.1% 非鉄金属 2.6% 鉄鉱石 2.2%

※数字は、輸入総額シェアです。
出典:財務省統計より

日本の主な輸入品目の輸入先(2012年)

【原油及び粗油】

原油及び粗油の輸入先(2011年)

【LNG(液化天然ガス)】

LNG(液化天然ガス)の輸入先(2011年)

【衣類・同付属品】

衣類・同付属品の輸入先(2011年)

【石炭】

石炭の輸入先(2011年)

【石油製品】

非鉄金属の輸入先(2011年)

【非鉄金属】

非鉄金属の輸入先(2011年)

【とうもろこし】

とうもろこしの輸入先(2011年)

【大豆】

大豆の輸入先(2011年)

【小麦】

小麦の輸入先(2011年)

出典:財務省統計より

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品目ごとに輸出入額とその割合を比べてみてみよう。

【2012年商品分類別貿易額】

その他 輸送用機器 電気機器 一般機械 原料別製品 化学製品 鉱物性燃料 原料品 食料品 2011年商品分類別貿易額

出典:財務省統計より

日本の貿易で、輸出額が多いのは、自動車などの「輸送用機器」や半導体等電子部品などの「電気機器」、鉄鋼などの「原料別製品」、プラスチックなどの「化学製品」、原動機などの「一般機械」。輸入額が多いのが、原油・石炭・LNG(液化天然ガス)などの「鉱物性燃料」で、これは他の品目に比べてだんぜん多く、総輸入額の約28.6%を占(し)めます。このほかに、半導体等電子部品の「電気機器」、衣類などの「その他」品目が多いのが分かりますね。

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それぞれの品目グループ(分類)に含まれる主な品物は?

それぞれのグループ(分類)には、代表的なものとしてつぎのような品目が集計の対象になっています。

  1. 食料品
    • 輸出額 3,553億円、輸出総額に占(し)める率 0.6%
      主に魚介類(ぎょかい:魚や貝類など)/魚介類の缶詰(かんづめ)ほか
    • 輸入額 58,496億円、輸入総額に占める率 8.3%
      小麦、とうもろこし、魚介(ぎょかい:魚や貝類など)、肉類ほか
  2. 原料品
    • 輸出額 10,600億円、輸出総額に占める率 1.7%
      鉄鋼類のくず/合成ゴムほか
    • 輸入額 47,772億円、輸入総額に占める率 6.8%
      大豆/木材/綿花(めんか)/鉄鉱石/銅鉱(どうこう)/アルミほか
  3. 鉱物性燃料
    • 輸出額 10,274億円、輸出総額に占める率 1.6%
      軽油/灯油(とうゆ)※ジェット燃料を含む ほか
    • 輸入額 240,784億円、輸入総額に占める率 34.1%
      原油/石炭/LNG[液化天然ガス]ほか
  4. 化学製品
    • 輸出額 63,659億円、輸出総額に占める率 10.0%
      プラスチック/医薬品ほか
    • 輸入額 59,267億円、輸入総額に占める率 8.4%
      医薬品、肥料、塗料ほか
  5. 原料別製品
    • 輸出額 84,426億円、輸出総額に占める率 13.2%
      鉄鋼ほか
    • 輸入額 55,089億円、輸入総額に占める率 7.8%
      衣類/紙/織物/じゅうたん/宝石ほか
  6. 一般機械
    • 輸出額 128,430億円、輸出総額に占める率 20.1%
      事務機器(コピー機など)/電算機(コンピュータなど)/工作機械(工場で使う機械)ほか
    • 輸入額 49,994億円、輸入総額に占める率 7.1%
      農業用機械(トラクターなど)/電算機(コンピュータなど)/工作機械(工場で使う機械)ほか
  7. 電気機器
    • 輸出額 114,073億円、輸出総額に占める率 17.9%
      発電機/電線/音響映像機器(テレビやビデオデッキなど)/家庭用電気機器(冷蔵庫や電子レンジなど)/ICほか
    • 輸入額 84,330億円、輸入総額に占める率 11.9%
      音響映像機器(テレビやビデオデッキなど)/家庭用電気機器(冷蔵庫や電子レンジなど)/ICほか
  8. 輸送用機器
    • 輸出額 149,838億円、輸出総額に占める率 23.5%
      自動車/オートバイ/船ほか
    • 輸入額 23,110億円、輸入総額に占める率 3.3%
      自動車/航空機/船ほか
  9. その他
    • 輸出額 72,579億円、輸出総額に占める率 11.4%
      照明器具/カメラ/衣類(洋服など)/時計/おもちゃほか
    • 輸入額 87,898億円、輸入総額に占める率 12.4%
      バッグ/家具/衣類(洋服など)/時計/おもちゃ/美術品ほか

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主な品目の輸出入額の移り変わりを知っておこう

【主な輸出品の輸出額の移り変わり】

主な輸出品の輸出額の移り変わり

出典:財務省統計より

2012年の輸出は、2011年におこった東日本大震災、その後の部品供給網の寸断、欧州債務危機の深刻化や歴史的な円高の継続、2012年9月以降の尖閣諸島問題で、中国との貿易が悪化するなど、多くの要因から前年に引き続き減少(前年比2.8%減)に転じた。日本の輸出主要品目である自動車以外の半導体等電子部品やIC、プラスチックなどの化学製品、鉄鋼などが減少しました。

※円高とは、たとえば、1ドル100円だった為替(かわせ)レート(ドルと円との交換比率)が、円通貨の価値が上がり90円になることをいいます。この場合、日本から50,000円の値段の品物を輸出していたとすると、これまではドルで買う(輸入する)国は500ドルで買えていたところが、555ドルになり、高い価格で買わなければならなくなります。そうなると、日本からの輸入品を買っていた国の人たちは、値段が高くなったことで買うことを控える、あるいは他国からの輸入品を買うことになり、日本からの輸入品が売れなくなり、日本からの輸出が減ってしまいます。

円高になることで、輸出相手国でその品物が値上がりしてしまう例。

円高になることで、輸出相手国でその品物が値上がりしてしまう例

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輸入額の移り変わりを知っておこう

【主な輸入品の輸入額の移り変わり】

主な輸入品の輸入額の移り変わり

出典:財務省統計より

輸出の移り変わりで、円高のことについて説明しましたが、日本が輸入するときは、今までと同じものが安い値段で買うことができます。2012年は輸出がさまざまな出来事が重なったことで減少し、一方円高で安い価格で購入できましたが、それを上回る原油価格の高騰(こうとう)や原子力発電所の停止による代替火力発電向けLNGの輸入が急増するなどで、鉱物性燃料は前年より10.4%増(内LNGは前年比25.4%増)と大幅に増加しました。その結果、貿易収支は2011年に引き続き赤字となりました。

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