日本は、〝海外から必要な燃料資源・原料を輸入し、高い技術で作った製品を海外に輸出する〟というスタイルで経済成長してきました。
このページでは、日本はどのような国・地域とたくさん貿易をしているのか。その相手は時代によってどのように変わってきているのか。1990年から2021年までの輸出入額が多い国・地域の移り変わり(各年のトップ10)を見てみましょう。
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2008年までの50年余りはアメリカが断然(だんぜん)1位でしたが、この年にアメリカで金融危機が起こり、アメリカをはじめ世界中の景気が急激に悪くなり需要が落ち込みました。しかし、中国は政府のいろいろな経済対策により景気の落ち込みが少なく、引き続き高い経済成長を遂(と)げたことから、2009年から日本の最大輸出相手になっていました。2013年以降はアメリカが再び1位となった後、2018年に中国が6年ぶりにトップへ返り咲き、その後、2019年はアメリカ、2020年からは中国がトップになりました。
3位以下の輸出先は、韓国(かんこく)、台湾(たいわん)、香港(ほんこん)、タイなどアジアの国・地域が多くを占(し)めています。アメリカ向けでは自動車が多いのに比べて、アジア向けの輸出品は半導体などの先端技術(せんたんぎじゅつ)を活かした機械類や部品、電気製品などと、鉄鋼(てっこう)や非鉄金属などが多くを占(し)めています。これはアジア各国・地域に半導体などを使用した製品を組み立てる産業が多いことと、経済成長にともないビルや工場、道路などのインフラ(産業基盤と生活関連の社会資本)設備のための原料を必要としているからです。
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(単位:100億円)
順位 | 2000年 輸出総額 [5,165] |
2010年 輸出総額 [6,740] |
2020年 輸出総額 [6,840] |
2021年 輸出総額 [8,309] |
---|---|---|---|---|
国・地域名 輸出額(シェア) |
||||
1 | アメリカ 1,536(29.7%) |
中国 1,309(19.4%) |
中国 1,508(22.0%) |
中国 1,798(21.6%) |
2 | 台湾(たいわん) 387(7.5%) |
アメリカ 1,037(15.4%) |
アメリカ 1,261(18.4%) |
アメリカ 1,483(17.8%) |
3 | 韓国(かんこく) 331(6.4%) |
韓国(かんこく) 546(8.1%) |
韓国(かんこく) 477(7.0%) |
台湾(たいわん) 599(7.2%) |
4 | 中国 327(6.3%) |
台湾(たいわん) 460(6.8%) |
台湾(たいわん) 474(6.9%) |
韓国(かんこく) 577(6.9%) |
5 | 香港(ほんこん) 293(5.7%) |
香港(ほんこん) 370(5.5%) |
香港(ほんこん) 341(5.0%) |
香港(ほんこん) 389(4.7%) |
6 | シンガポール 224(4.3%) |
タイ 299(4.4%) |
タイ 272(4.0%) |
タイ 362(4.4%) |
7 | ドイツ 216(4.2%) |
シンガポール 221(3.3%) |
シンガポール 189(2.8%) |
ドイツ 228(2.7%) |
8 | イギリス 160(3.1%) |
ドイツ 178(2.6%) |
ドイツ 188(2.7%) |
シンガポール 220(2.6%) |
9 | マレーシア 150(2.9%) |
マレーシア 154(2.3%) |
ベトナム 183(2.7%) |
ベトナム 210(2.5%) |
10 | タイ 147(2.8%) |
オランダ 143(2.1%) |
マレーシア 134(2.0%) |
マレーシア 171(2.1%) |
参考 | アジア 2,125(41.1%) |
アジア 3,783(56.1%) |
アジア 3,922(53.7%) |
アジア 4,816(58.0%) |
中東 105(2.0%) |
中東 222(3.3%) |
中東 181(2.6%) |
中東 205(2.5%) |
|
EU 843(16.3%) |
EU 762(11.3%) |
EU 646(9.4%) |
EU 767(9.2%) |
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※1990年以降、輸入額が10位以内に入ったことのある国・地域が含まれています。
2002年にアメリカから中国にトップの座が変わってからずっと中国が1位です。製品の国際価格競争力を高めるために、日本の企業が労働賃金の安い中国に工場を建てて現地で製造し、日本に輸入するという新しい経済・貿易の体制ができてきたことが理由の一つです。また、韓国(かんこく)、台湾(たいわん)、タイなどでも、同様に工場を造って、そこでできた製品を輸入するという加工貿易が増えたことから、アジアの国・地域が上位となりました。
アジアの国・地域の工場で作った製品を輸入するという貿易スタイルは今も変わっていないものの、2003年ころからは、資源やエネルギー価格が大幅に上昇したことにともない、産出国である中東の国々やオーストラリアなどが上位に名を連(つら)ねるようになりました。
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(単位:100億円)
順位 | 2000年 輸入総額 [4,094] |
2010年 輸入総額 [6,077] |
2020年 輸入総額 [6,784] |
2021年 輸入総額 [8,476] |
---|---|---|---|---|
国・地域名 輸入額(シェア) |
||||
1 | アメリカ 778(19.0%) |
中国 1,341(22.1%) |
中国 1,749(25.8%) |
中国 2,038(24.0%) |
2 | 中国 594(14.5%) |
アメリカ 591(9.7%) |
アメリカ 744(11.0%) |
アメリカ 890(10.5%) |
3 | 韓国(かんこく) 220(5.4%) |
オーストラリア 395(6.5%) |
オーストラリア 382(5.6%) |
オーストラリア 573(6.8%) |
4 | 台湾(たいわん) 193(4.7%) |
サウジアラビア 315(5.2%) |
台湾(たいわん) 286(4.2%) |
台湾(たいわん) 368(4.3%) |
5 | インドネシア 177(4.3%) |
アラブ首長国連邦 (しゅちょうこくれんぽう) 257(4.2%) |
韓国(かんこく) 284(4.2%) |
韓国(かんこく) 352(4.2%) |
6 | アラブ首長国連邦 (しゅちょうこくれんぽう) 160(3.9%) |
韓国(かんこく) 250(4.1%) |
タイ 254(3.7%) |
サウジアラビア 302(3.6%) |
7 | オーストラリア 160(3.9%) |
インドネシア 248(4.1%) |
ベトナム 235(3.7%) |
アラブ首長国連邦 (しゅちょうこくれんぽう) 298(3.5%) |
8 | マレーシア 156(3.8%) |
台湾(たいわん) 202(3.3%) |
ドイツ 227(3.3%) |
タイ 289(3.4%) |
9 | サウジアラビア 153(3.7%) |
マレーシア 199(3.3%) |
サウジアラビア 197(2.9%) |
ドイツ 260(3.1%) |
10 | ドイツ 137(3.4%) |
カタール 190(3.1%) |
アラブ首長国連邦 (しゅちょうこくれんぽう) 175(2.6%) |
ベトナム 252(3.0%) |
参考 | アジア 1,706(41.7%) |
アジア 2,751(45.3%) |
アジア 3,464(51.1%) |
アジア 4,108(48.5%) |
中東 531(13.0%) |
中東 1,039(17.1%) |
中東 556(8.2%) |
中東 847(10.0%) |
|
EU 504(12.3%) |
EU 582(9.6%) |
EU 779(11.5%) |
EU 942(11.1%) |