世界の国々では電気をつくるときに、そのほとんどを石油、石炭などの化石燃料(かせきねんりょう)を使用する火力発電所(かりょくはつでんしょ)で行っています。しかし、火力発電所はたくさんのCO2を排出(はいしゅつ)することから、地球温暖化(おんだんか)を進める原因になっています。商社は、世界で増加しつづける電気の使用量に対応(たいおう)するため、CO2の排出がない、あるいは少ないクリーンなエネルギーによる発電を世界中で進めています。
地球の中心は約6,000℃もあり、地表に近い部分でも1,000℃近い高温になっています。地熱発電は、この地中の奥深くにあるマグマからわき出る熱水(ねっすい)や水蒸気(すいじょうき)を取り出し、発電機(はつでんき)をまわして電気をつくります。熱水が出ない土地でも、地中深くにある高い熱をもった岩に水をそそいで熱水をつくり出し、発電することができます。発電時に排出(はいしゅつ)されるCO2はゼロで、太陽光や風力とは異(こと)なり、天候(てんこう)に左右されない良さがあります。
地熱発電には、地中からふき出す高温の水蒸気(すいじょうき)を取り出して発電する「蒸気フラッシュ法」のほかに、水より低い温度で沸騰(ふっとう)するアンモニアなどの液体を、地中から取り出した温水で沸騰させ、その蒸気で発電機(はつでんき)をまわす「バイナリーサイクル発電」や、地中深くにある高い熱をもった岩に水をそそぎ、熱水を人工的(じんこうてき)につくり出して発電する「高温岩体発電(こうおんがんたいはつでん)」があります。バイナリーサイクル発電や高温岩体発電は、地熱資源に恵まれていない土地でも発電することができ、オーストラリアやドイツなどで取り入れられています。
日本は世界第3位の地熱資源をもっていますが、資源のある場所の多くが国立公園内であったり、温泉地であったりするため、現在は開発があまり進んでいません。