2019年日本貿易会新春懇親会 中村会長 開会挨拶

会長コメント

2019年1月8日

明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、輝かしい新年をお迎えのことと、お慶び申し上げます。開会にあたり、一言、ご挨拶申し上げます。

本日は、関経済産業副大臣、各国大使閣下、石毛日本貿易振興機構理事長、ならびに各界からのご来賓の皆様には、お忙しい中、日本貿易会の新春懇親会にご臨席賜り、まことにありがとうございます。また、皆様には、平素より当会の活動にご協力を頂き、厚く御礼を申し上げます。

お陰様で、国内経済はデフレ脱却を果たし、景気の回復基調が続いていることにつき、まずは日本政府のリーダーシップ、ご尽力を高く評価するとともに、厚く御礼を申し上げたいと思います。

世界情勢を振り返りますと、なんと言いましても、昨年はトランプ旋風が吹き荒れた1年でした。米中間の貿易摩擦は激しさを増し、長期化の様相をみせていますが、そうしたなかで、自由貿易を守る砦として、日本の活躍が目立ちました。
年末のTPP11発効、また、本年2月の日EU・EPA発効確定は非常に大きな成果です。ルールベースの自由貿易体制の堅持は、我々にとって最も重要であります。

本年はG20議長国として日本のリーダーシップに世界の注目が集まる年であり、存在感を示すべき年でもあります。このような中で、日本貿易会としても自由で公正な貿易、投資環境の維持、発展に向け、あらゆる機会を捉えて発信をし、日本や世界の繁栄に貢献できるよう積極的に活動していきたいと考えています。
政府の皆様には、引き続き日本企業が縦横無尽に動き回れるルールや環境の整備に向けて、より一層のご尽力を期待したいと思います。

昨年のもう一つの大きなトレンドが、日中関係の改善でした。
日中平和友好条約締結40周年を記念し、様々な記念事業が開催され、日本貿易会も初めての試みとして、9月に、北京でシンポジウムを開催しました。また、10月に北京で開催された第一回日中第三国市場協力フォーラムでは、日本企業を代表してスピーチを行い、日中の企業が第三国で共にプロジェクトを推進していくうえでは、国際スタンダードの重視と、自由で公正な貿易、投資環境が欠かせないことを申し上げました。

自由で公正な貿易、投資環境の確保という意味では、本年はTPP11の拡大や、RCEPの早期成立実現に向け、日本貿易会としても一層注力し、様々な国の企業との協業関係を深める可能性を広げることで、「より豊かな社会の実現」につなげていきたいと考えています。

さて、私は会長就任にあたり、「未来をカタチに豊かな世界へ日本貿易会」というキャッチフレーズを掲げました。これは、日本貿易会の会員企業が、時代のニーズを的確に捉え、ビジネスモデルを更に進化させることで、まだ誰も見たことも、経験したこともない、持続可能で豊かな世界を、目に見えるカタチで実現したい、という思いを込めたものです。
「持続可能な開発目標」いわゆるSDGsは、すべての国や企業が協力して、2030年までに達成すべき目標を示しています。これらSDGsは、商社活動とも親和性が高く、私たちは、SDGsの諸目標を念頭に置きつつ、商社機能を存分に発揮することで、持続可能で豊かな世界に向けて積極的に貢献し、未来をカタチにしていけると考えています。

最後に、持続可能な社会の実現に向けた日本貿易会の取組みとして、国際社会貢献センター、ABICの活動を紹介させていただきます。
ABICは日本貿易会が2000年に設立し、現在も全面的に支援を続けている社会貢献団体です。国内外での様々なビジネス、ノウハウ、人脈を持つ 企業のOB・OG人材が3,000名近く登録され、政府機関、地方自治体、中小企業への支援、在日留学生への支援、また大学での講座や小中高等学校 での国際理解教育など、様々なニーズに応えています。
昨年末には、留学生支援を行う日本学生支援機構から、同機構の事業・運営に対し、顕著な功労があったとして、ABICが団体として初の表彰を受けるという、嬉しいニュースもありました。多様な人材を必要とする政府機関、中小企業、在日留学生などに経験豊富で多様な人材を紹介するABICの活動を更に広げ、積極的に社会に貢献していきたいと考えています。本日は、会場の出口にABICの活動を紹介したパネルを展示しておりますので、お帰りの際に是非ご覧いただきたいと思います。

最後になりますが、皆様には、引続き、当会ならびにABICの活動へのご理解、ご協力、ご指導をお願い申し上げますとともに、本年が皆様にとりまして、実り多き年になりますよう、心からお祈り申し上げまして、開会のご挨拶とさせて頂きます。

ありがとうございました。

以上