商社の強み

「商社」は日本独自の業態として、明治維新前後より海外との取引を担い、戦後は日本が「貿易立国」として復興を遂げる中で輸出入を担い、積極的に世界にネットワークを広げてきました。近年では商社の事業投資は、単なる資金投入にとどまらず、経営へのハンズオン関与やサプライチェーン全体の構築まで踏み込む点に特徴があります。特に脱炭素やインフラ開発といった複雑な課題に対しては、社内の多様な部門を有機的に連携させる「総合力」で応える体制を整えています。
危機を乗り越える中で培った知見と柔軟な戦略により、商社は独自の価値創造モデルを深化させ、次なるフロンティアに挑み続けています。

今日の商社活動には、主に次のような特徴があります。

特徴1

広範多岐にわたる商品・事業分野・サービス

商社が取り扱っている商品・サービスは多種多様です。商社は、産業や社会の変化に適応するため、常に事業内容を変化させています。
近年では環境に対する意識の高まりやデジタル技術の発展を受けて、電動車両(EV、PHEV、HEV)、水素やアンモニアを含む再生可能エネルギー、次世代モビリティなどの技術開発に取り組んでいます。その他、多様な業界知見とグローバルネットワークを活かし、柔軟かつ迅速なビジネス創出を行っています。

幅広い事業分野

機械・輸送機
  • 建設機械・工作機械・農業機械・鉱山機械
  • 自動車(EV、PHEV、HEV)
  • 自動車部品、次世代モビリティ
  • 鉄道、船舶、航空機
エネルギー・金属・化学品
  • 鉄鉱石、石炭、各種燃料
  • 鉄鋼製品、スチールサービスセンター
  • 銅、アルミ、ニッケル、貴金属、レアメタル、レアアース
  • 原油、LNG、LPG、天然ガス、石油製品
  • 再生可能エネルギー(バイオ燃料・水素・アンモニアなど)、CCUS、電池
  • 石油化学、無機・精密化学品、合成樹脂
  • 農業資材(農薬・肥料)、次世代農業
  • 半導体・電子材料
生活産業
  • 繊維(原料、製品、資材、アパレル、ブランド)
  • 木材・建材、紙・パルプ・チップ、皮革、セラミック、タイヤ
  • ゴム製品、インテリア・雑貨、森林業
  • 穀物、粗糖、水産・畜産物、青果、油脂、飲料原料
  • 加工食品(酒類、缶詰、酪農製品など)
  • 医薬品、ドラッグストア、衛生用品、健康関連商品、病院・高齢者施設
  • コンビニエンスストア・スーパー
  • リサイクル
  • キャラクターライセンス
メディア・デジタル
  • 情報通信、CATV、TV・ネット通販
  • 映像コンテンツ、デジタル広告
  • デジタルソリューション
  • 宇宙、衛星メディア・ライドシェア
  • 5G、IoT、AI
  • 携帯電話サービス
  • IT、BPOサービス
インフラ・不動産
  • 海外工業団地
  • 地域総合開発、都市開発、住宅(開発・建設・販売・管理)、商業施設、オフィスビル(施設運営、賃貸、流通)
  • スマートシティ
  • 港湾、橋梁、道路
  • 鉄道、空港
  • 電力事業、太陽光・風力・水力・地熱発電
  • 上下水道
  • 通信インフラ(通信基地局、光ケーブル、データセンターなど)
金融・物流
  • リース(自動車、鉄道車両、航空機など)
  • 保険、金融
  • 国内・海外物流
  • 物流センター事業
  • ディーリング(貴金属など)
  • REIT
特徴2

グローバルなネットワーク

世界を舞台に活躍する商社は、世界各国に現地法人、支社・支店、駐在員事務所、出張所など、さまざまな形態の拠点を展開しています。拠点それぞれが効果的な役割を発揮し、拠点間で連携しながら、グローバルビジネスを展開しています。

巨大な企業グループ

7社※1の連結決算対象会社/従業員
(内 単体の従業員数:3万人)
内外 約5,900
46万人※2

事業会社を設立、既存企業の買収を通じて新規分野に参入

  1. ※17社とは伊藤忠商事、住友商事、双日、豊田通商、丸紅、三井物産、三菱商事を指す。
  2. ※2各社有価証券報告書総覧(2021年)から集計。
内外の拠点数
海外 216都市
国内 22都市

参考:2022.1 在外公館・総領事館・政府代表部 実館合計 229

欧州・ロシア・CIS 計43都市 東アジア 計28都市 北米 計48都市 アフリカ 計17都市 アジア・大洋州 計40都市 中東 計20都市 中南米 計20都市
  • 7社が拠点を置く都市の数を各社統合報告書/統合レポート2021・HPなどから集計(各社が公表している拠点数とは異なる)。
  • 東アジア:中国、香港、台湾、韓国、モンゴル
特徴3

多様な事業展開とシナジー効果

商社はさまざまな機能を活用することで、多様なビジネスを展開し、時代や環境の変化に対応しながら、これらの機能を常に高度化させています。

原点・コア機能
商取引
(トレード)

モノ・サービスを売りたい企業と顧客を仲介し売買を成立させる

商取引と付随して
発達した機能
分析・管理・サポート機能
情報収集

経済・貿易・国際情勢・産業など広範多岐にわたる情報を収集・分析し、ビジネスに活かす

市場開拓

需給動向や新技術の情報を収集・分析し、国内・海外の市場を開拓する

ファイナンス

資金調達支援やリース事業など独自の金融機能を提供する

リスク
マネジメント

蓄積した知見からビジネス上のリスクを分析し最小限にとどめる

ロジスティクス

全世界を結ぶ物流のネットワークを活用し、最も効率の良い物流をめざす

子会社や関連事業が
増えることで発達した機能
事業経営
(事業投資)

事業の開発から拡大までトータルでグループ会社の経営支援を行う
また、オーガナイザーとして国内外のネットワークを生かし、優れた能力や技術を持つパートナー企業を集めて組織化する

特徴4

進化を続ける商社の機能・役割

外部環境が変化する中で、商社はいつの時代も、産業や社会が求めるニーズを見極めながら、自らの役割や提供するサービスを柔軟に変化・拡充させてきました。
過去においては「商社斜陽論」、「商社冬の時代」など商社の将来性に警鐘を鳴らす指摘がなされたこともありましたが、商社はこれらを前向きに捉え、自己変革を繰り返してきました。
この「変化への対応力」こそが、商社の最大の強みといえます。

商社の機能・役割の変遷