COP27についての國分会長コメント

会長コメント

2022年11月22日

第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)が成果文書「シャルムエルシェイク実施計画」を採択して閉幕した。

最大の焦点であった気候変動の「損失と被害」に対する資金支援について、国連の枠組みの中で立場や事情の異なる国々が歩み寄り、途上国などを対象とする新たな基金創設が決定されたことは大変意義深い。来年のCOP28に向けて具体的な内容が検討されるが、気象災害など温暖化の影響は世界中で顕在化しており、真に支援を必要とする国・地域に必要な資金を迅速に提供できる仕組みの構築が望まれる。

また、産業革命前からの気温上昇を1.5度以内に抑える目標については、昨年のCOP26で採択した「グラスゴー気候協定」の内容が改めて成果文書に盛り込まれ、石炭火力の段階的削減および非効率な化石燃料に対する補助金の段階的廃止を進めることが再確認された。多くの国がエネルギー危機に直面している現況において一定の調整力が発揮されたものと理解するが、温暖化防止に向けては今後より踏み込んだ努力が求められることになろう。

日本政府は、パリ協定6条に基づく国際的な温室効果ガス排出量取引の円滑な実施に向けた協力体制づくりを呼び掛け、60超の国・地域・機関が参加する「6条実施パートナーシップ」を立ち上げた。脱炭素社会の実現に向けて、引き続きリーダーシップを発揮いただきたい。
 商社業界としても、気候変動問題を最優先の社会課題として捉え、途上国のエネルギートランジションに向けた技術・資金両面での支援など、事業活動を通じた課題解決に主体的に取り組んでまいりたい。

以上