G7広島サミットについての國分会長コメント

会長コメント

2023年5月23日

アジアで唯一のG7メンバーであるわが国が議長国を務めるG7サミットが広島で開催された。地政学リスクの高まりや気候変動、食料危機、パンデミックなど複合的かつ広範多岐にわたる地球規模の重要課題の克服に向けて、これほどまでに国際的な連携・協調の重要性が高まっている時代はない。こうした中、世界平和の希求を象徴する広島の地において、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有するG7諸国の首脳が一堂に会し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を改めて強く確認し合い、これを守り抜く決意を世界に示したことは大変意義深い。

気候変動・エネルギー分野においては、エネルギー安全保障、気候変動、地政学リスクを一体的にとらえ、グローバルサウスに属するパートナー国と連携し、各国・地域の事情に応じた多様な道筋により共通のゴールであるカーボンニュートラルの実現を目指すという認識を共有したことは大きな成果である。

経済分野においては、グローバルな経済的強靭性と経済安全保障の強化が必要であること、そのためにG7としてサプライチェーンや基幹インフラの強靭化を図り、また経済的威圧の抑止に努めるとともに被害を受けた国々を支援する 「調整プラットフォーム」を立ち上げることで合意したことを評価する。

今回、G7連携のもとで質の高いインフラ投資を促進していくためのイニシアティブである「グローバル・インフラ投資パートナーシップ(PGII)」に関連するサイドイベントに日本貿易会会長として参加、日本の民間セクターを代表し発言する機会を得た。首脳声明およびその関連文書において、低・中所得のパートナー国のインフラ投資ギャップを縮小することの重要性が強調され、質の高いインフラへの官民投資のためのグローバル・パートナーシップをパートナー国と共に引き続き強化していくこと、また、この目的に向けた行動を加速するために民間資金の動員を容易にする枠組み創設の方向性が示されたことを歓迎する。

以上