会長挨拶・コメント

会長挨拶



会長
國分 文也
(丸紅(株)取締役会長)
 

世界は再び新たな挑戦の時期を迎えています。新型コロナウイルスの拡大から2年が経過、多くの国でコロナウイルスとの共存という生活様式が定着し経済活動は活気を取り戻しつつありますが、今しばらくは感染抑制と活動最大化の間で最適化を探ることが強いられそうです。そしてウクライナ危機が長期化の様相を深めています。サプライチェーンの再構築に時間を要する中、資源価格を中心に世界的に物価が上昇しており、経済に甚大な影響を与えています。

こうした逆境の中でも、経済活動を通じてよりよい社会を追求しようという大きな流れが絶えることはありません。国内外を問わず、情勢の変化に柔軟に対応した新たな試みが無数に生まれています。こうした試みはデジタルという武器を備え、国境を越えて広がる潜在性を秘めています。エネルギー分野では安定供給の重要性が再認識される中でも、脱炭素化のモメンタムを保つべくあらゆる可能性が模索されています。

商社業界は歴史的にこうしたさまざまな可能性を「つなぐ」役割を果たしてきました。そして日本貿易会が掲げる「ともに築こう、サステナブルな世界を」は健全な企業活動を通じて全ての人が豊かさを感じられる社会を構築し、その持続可能性を高めることを目指すものです。対象は単に環境保護にとどまりません。人権問題や企業統治、デジタル社会への移行など、より幅広い社会課題を包摂します。そしてそこでは自由な貿易・投資が欠かせません。人、モノ、金など資源が偏在する世界においてはどの国も単独では存続し得ず、これらの最適かつ効率的な配置こそが経済的発展と持続可能性の両立につながると信じるからです。これはわが国が掲げる自由貿易・投資体制の推進という基本政策と目的を一とするものと言えます。

足元では国家間の対立や自国優先主義など、自由な貿易・投資を阻害する要因が目立ち始めています。また、データが無形資産として価値を持ち、それとともにビジネスの形が変貌を遂げるなど、新たなルールの構築が求められる分野もあります。当会では国内外のルールに常に目を配りその順守を最優先事項と置いた上で、会員の皆さまとともにビジネス環境の整備、改善に向け提言、行動を続けていきます。

今後とも当会の活動に一段のご支援、ご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。