第6回ダイバーシティ推進セミナー
「ダイバーシティ・コミュニケーション~男女脳差理解による組織力の向上」
2017.9.20女性活躍推進
黒川 伊保子 氏
株式会社感性リサーチ 代表取締役
奈良女子大理学部物理学科卒業後、
コンピュータメーカーにてAI研究に従事した後、世界初の語感分析法を開発。マーケティング分野に新境地を拓く感性分析の第一人者となる。男女脳の機微や、ことば周辺の情緒・感性の謎を解き明かす随筆家としても活躍。ビジネスにおいては、人材開発・社員研修として、男女脳差理解によるダイバーシティ・コミュニケーション講座等を多数実施。
公式ウェブサイト

9月20日、株式会社感性リサーチ 代表取締役の黒川伊保子先生を講師にお招きし、第6回ダイバーシティ推進セミナーを開催しました。「ダイバーシティ・コミュニケーション~男女脳差理解による組織力の向上」というテーマで、ダイバーシティ推進の第一歩として、男女の脳の違いを知り、自らの思考や感性、価値観と違うタイプの人がいることを理解し、お互いの居心地を良くし、組織力を高め、成果を上げる『職場でのコミュニケーション』等について学びを深めました。
当日は、人事委員会、ダイバーシティ推進コミッティ委員の他、各社営業部門から広くダイバーシティ・コミュニケーションに関心のある方々にご参加いただき(約70名)、参加者によるアンケートでは、96%の方が参考になったと回答し、非常に高い評価を得ました。「男女の脳の違いを理解できた」、「コミュニケーション方法を見直し組織(職場・家庭)運営等に活かしたい」など、実践に役立つ好評なセミナーとなりました。
ご講演要旨
- 男女の脳は、装置として見立てると、全くの別物。
脳の回路構成と信号特性が大きく異なる。男女の話は方向が真逆。
- 女性の話は「プロセス指向共感型モデル」。事の経緯をしゃべると、無意識のうちに問題解決ができる。「共感」によって知識を増やし、「感情」によって知恵をつむぎだす、天才的な「臨機応変力」の持ち主。その能力は、目的のない会話を楽しむときに、最大限に活性化される。
「共感のなさ」が女性のモチベーションを壊滅的に下げる。
- 一方で男性の話は、結論(目的)から前倒しにする「ゴール指向問題解決型モデル」。このため、「女性脳の活性化のための大事なエクササイズ」を「無駄話」と感じてしまい、目的のない会話への耐性が著しく低い。話の途中でも、すばやく問題点を見つけ出して解決したい。だからいきなり疑問点を差し挟んだり、弱点を突いてくる。男性にとっては、仲間を混乱から救うための愛と正義。男性脳は、右脳と左脳が頻繁に連携しないのが特徴で、周囲の変化や自分の体調変化に緩慢。よって「俯瞰力」に長ける。
- 働く女性が身に付けるべき最大のビジネスマナーは、男性が「いきなり弱点をついてくる」にへこまないこと。弱点を突かれたら、男性脳の正義だと思おう。
- 女性は、男性に話しかけるときは、(1)結論(会話の目的)から言う、(2)数字を言う、を心がけるのが原則=好感度が上がる。逆に男性は、女性との会話で「共感」を心がけると懐の深さを感じさせ、好感度を上げることができる。このことは、自分の好感度を上げるだけじゃなく、相手のパフォーマンスを上げ、ひいては組織全体のパフォーマンスを上げる秘訣となる。
- 組織の中に、男女脳が混在することで、組織力がアップする。①気づきの種類が増える(論理的な気づき、俯瞰的な気づき)、②発想の種類が増える、③ホスピタリティの種類が増える、④コミュニケーションの種類が増える、⑤タフさの種類が増える、等々。
【女心をつかむコツ】
- 女性脳はプロセス指向。ことの経緯を語りたがる。
→ トラブルに至った経緯を延々としゃべるのは、そこに真実があると信じているから。愚痴や言い訳のつもりじゃない。時には語らせてあげよう。
- 女性は、成果ではなく過去時間を労ってほしい。
→女性を営業成績で褒めすぎると、辞めてしまう。過去時間を労おう。
- 女性脳は、結果「よかったこと」への経過へのダメ出しに混乱する。
→女性脳は、結果うまくいったことのプロセスを知識化しているため、経過の一部のダメ出しをされるとルール化に失敗して脳にとって大きなストレスとなる。「今だから言うけど」は止めよう。
- 女性脳の直観力は、単なる思い込みじゃない。
→3人の女性が「これしかない!」と思ったら、300万人の女性も同じことを感じる。
- 女性は責任のある仕事を言われたとき、生理反応でドン引きする。
→「きみならできる」は言ってはいけない。「きみしかいない」を言い尽くそう。
【男性に「デキる女」と言わせる方法】
- 男性は、とりとめのない話に耐性が低い。
→ 結論から言う+「理由は3つあります」と、ポイント数を最初に挙げる。
- 男性脳は直観力が働きにくいので、「これしかないよね」が分からない。
→複数案の比較検討で判断したい。男性相手には、複数提案にし、相対数値をつけて表やグラフにする。
- 男性脳は秩序の乱れで、神経をやられてしまう。
→職域を超えた行動は時に必要だが、慎重に。
- 男性脳はとっさに自己都合が浮かばないので、ビジネスの言い訳にしない。
→女性は、自分の都合でものを言ってはいけない。すべては他人のために言葉を紡げ。
- 男は「娘」と「母」に弱い。
→女は、32歳過ぎたら、すべての男の母になれ。母グチをきくこと。