商社が分かる

商社のダイバーシティ~Diversity & Inclusion~

~Voice~ 活躍する商社パーソン
「双日の外国籍人材育成制度~本社駐在制度を通して得た学び」

2019.11.15ダイバーシティ推進

パク 勝一スンイル 氏(右)

双日株式会社
化学本部 機能化学品部 第二課
2010年、双日韓国会社に入社。以来、化学品営業に携わる。2019年5月よりナショナルスタッフの育成の一環である本社駐在制度で来日。3年間本社にて勤務予定。休日は家族と過ごす時間を大切にしている。好きな日本の食べ物はうどんとカツ丼。

デイビッド ウィリアムズ 氏(左)

双日株式会社
人事部 グローバル・人材育成課 リーダー
2005年より、英国の双日欧州会社にて欧州、ロシア地域の人事を担当。2011年本社駐在制度で人事部に勤務。現在は本社社員として外国籍人材の採用・育成を担当。英国出身。趣味は散歩。

双日株式会社は、中期経営計画2020の人材施策として、「ダイバーシティ経営」「働き方改革と生産性向上」「経営人材の育成」の三つを掲げ取り組んでいます。「ダイバーシティ経営」の一環として、外国籍社員の活躍を推進しており、ナショナルスタッフ(海外現地雇用社員)の本社短期研修や本社駐在制度を行っています。ナショナルスタッフが今後、幹部社員として一層活躍できそうなビジネスフィールドをあらかじめ特定した上で優秀な人材を選抜し、同分野の本社業務を経験してもらうことで、ナショナルスタッフを育成しています。今回は、同制度で双日韓国会社から本社へ駐在している朴 勝一さんに、日本での業務や働き方、その中での学びなどについて、そして人事部のデイビッド ウィリアムズさんに外国籍人材の採用・育成についてお話を伺いました。

貿易実務の経験と語学を活かし、韓国双日へ

乙咩:朴さん、お忙しい中ありがとうございます。それでは早速ですが、現在韓国から本社駐在制度で日本に駐在されていると伺っていますが、これまでのキャリアと現在の業務について教えていただけますか。

朴さん:こちらこそ、このような機会をいただきありがとうございます。私は、2010年に韓国双日に入社し、2019年で10年目を迎えます。約5ヵ月前に来日し、逆駐在として3年間本社にて勤務予定です。韓国双日時代から化学品を取り扱うビジネスに携わり、現在も主に石油化学の輸出入の他、世界中のサプライヤーとお客さまをつなぐ仕事をメインに行っています。顧客は欧米から米国、アジアにまで広がり、今後もさらなる顧客の拡大を目指しています。韓国双日に入社したきっかけは、前職で培った貿易関連の知識と、大学卒業後に学んだ日本語を活かして新たなチャレンジをしたいと思ったからです。現在は、ほとんどの業務を日本語と英語で対応しています。

自主的に働ける環境に魅力を感じる

乙咩:本社での働く環境はいかがですか。

朴さん:韓国双日は本社の機能を導入していることもあり、それほど働き方の違いを感じることはありませんが、本社では携わる分野の範囲が狭まり、一つ一つの業務を深掘りできるようになりました。また、海外出張にも行く機会が増え、今では毎月のように海外を飛び回っています。言葉の面では、韓国双日の公用語が日本語だったため、ある程度は慣れていましたが、本社では日本語で書かれた稟議書の量が全く違います。膨大な量の資料を読むにはやはり苦労しますが、一つ一つこなすよう努力しています。
その他に、本社では会社のルールに沿って皆が自主的に働いている印象を受けます。制度面では、コアタイムを撤廃したスーパーフレックスの導入や、サテライトオフィスでの勤務を含めたテレワークなどのトライアルも進み、どんな状況でも仕事ができる環境が整いつつあります。ですが、韓国よりも業務全般における電子化の導入が進んでいるにもかかわらず、まだ紙に依存する業務が多くあると感じます。これは今後の課題ではないでしょうか。また、本社は風通しの良い社風があり活発な議論を行うことが多く、その分主体的に仕事に取り組める雰囲気を感じます。

駐在先でも安心して働けるサポート制度の充実


乙咩:本社駐在制度で来日するに当たり、どのようなサポート制度を受けていますか。

朴さん:駐在するに当たっては、家族一緒にという希望がありましたので、家族帯同サポートを受けています。住宅から子どもの教育まで手厚いサポートがあり、家庭に対する不安がなく日々の業務に集中することができるので、ありがたく感じています。家族も日本での生活に慣れ、休日には家族でさまざまな場所に出掛けています。

乙咩:これからの目標を教えてください。

朴さん:まずは、できるだけ早く本社の業務に慣れて、自分の興味がある分野をより深掘りしたいと思います。目の前の業務ごとに目標はありますが、最終的には世界中どこの海外拠点であろうと、今回の本社駐在制度での学びを生かして、本社のルールに基づきビジネスを展開できるよう貢献していきたいです。また、私のように本社駐在制度を使って本社で働いてみたいと思うナショナルスタッフがもっと増えればうれしいですね。

さらなる多様な人材獲得へ向けて

乙咩:ここからは、外国籍人材採用を担当しておられるデイビッドさんに、双日の同採用制度についてお伺いしたいと思います。

デイビッドさん:グローバル人材採用の一環として行っている外国人の本社採用方法には、留学生、JETプログラム(The Japan Exchange and Teaching Program:外国青年招致事業)出身者採用の2種類(表1)が主で、これらの人材はすでに当社では欠かせない人材となっています。2016年3月には54人だった外国籍社員数も、2019年3月末時点で66人にまで増加しています(表2)。加えて、海外100ヵ所近くの現地法人や事業会社のスタッフを毎年本社にて30人程度実地研修する機会も継続しています。10年前は考えられませんでしたが、今では外国籍社員がいて当たり前だと感じる状況になりつつあると思います。




※双日㈱ホームページより抜粋・作成

国籍ではなく、人物本位の採用

デイビッドさん:採用するに当たり国籍は関係ありません。世界中どこであろうと、優秀な人材を採用します。ただ、そこでの唯一の壁は言語です。必要に応じて、語学研修サポートも行っています。

乙咩:これからの人事部としての目標をお聞かせください。

デイビッドさん:世界中でビジネスを展開するために、多様な人材は不可欠です。新卒採用では、全体の10%を外国籍社員の採用目標としており、現在はほぼその数字に近づいています。また、朴さんのように海外拠点で働くナショナルスタッフを育て、現地でのキャリアアップを目指してほしいと思っています。そして、ナショナルスタッフの本社駐在は、本社の社員にとっても良い刺激となっています。


インタビューを終えて

中期経営計画にダイバーシティ推進やグローバル人材の育成などを掲げる会社が増えてきており、外国籍社員を含めた多様な人材の採用・育成の重要性は今後さらに高まるのではないでしょうか。
今回ご紹介した、朴さんのようなナショナルスタッフの本社駐在は、本社と海外拠点をつなぐ懸け橋や彼らのキャリアアップとなるだけでなく、本社社員の刺激にもなり、新たな課題の発見につながるなど、お互いにとってメリットが生まれる制度であると感じました。
朴さん、デイビッドさん、貴重なお時間を頂戴し、ありがとうございました。

政策業務第三グループ 乙咩愛海