循環型社会(じゅんかんがたしゃかい)とは、ゴミをへらし、限りある資源をくりかえし利用する社会です。これまで日本では、再利用できるものでも、捨(す)てられた物はゴミとして処分(しょぶん)してきました。その結果、ゴミを捨てる場所として確保(かくほ)していたところも満杯(まんぱい)となりつつあり、新たに捨てられる場所を確保することもむずかしくなってしまいました。再利用できないゴミを埋(う)め立てる最終処分場(さいしゅうしょぶんじょう)がいっぱいになるまでの残り年数は、一般廃棄物(はいきいぶつ)で19.4年(平成23年度末)※、産業廃棄物で13.6年(平成22年度末)※しかありません。リサイクルして使うなど環境意識が高まり、1人1日当たりの最終処分量は10年で約半分の104グラムにへりました。最終処分場がいっぱいになるまでの残り年数も、少しずつですが延びています。それでも、首都圏の産業廃棄物に限れば残り年数は4年にすぎません。ごみを出さない社会への取り組みをよりすすめていく必要があります。
※出典:環境省 平成25年版環境・循環型社会・生物多様性白書
循環型社会(じゅんかんがたしゃかい)を実現(じつげん)するために、世界で3R(スリーアール)という活動が進められています。3Rとは、「Reduce:リデュース〔ゴミをへらす〕」「Reuse:リユース〔くりかえし使う〕」「Recycle:リサイクル〔資源として再生利用する〕」の頭文字をとった言葉です。地球環境を美しく保ち、限りある資源を大切に守っていくためにも、この3Rに取り組むことが、一般家庭においても、企業(きぎょう)においても求められています。
循環型社会(じゅんかんがたしゃかい)を実現(じつげん)していくために、日本ではリサイクルに関するさまざまな法律がつくられ、身のまわりのいろいろな物が3Rの対象(たいしょう)となっています。また、経済産業省(けいざいさんぎょうしょう)や環境省(かんきょうしょう)などが中心となって、ゴミをへらしてリサイクルを進める地域(ちいき)を支援(しえん)するエコタウン事業(じぎょう)なども行われています。
不要になった物をゴミと考えず、資源と考え、できる限り再利用するしくみや考え方を、私たちの社会全体に定着(ていちゃく)させていくことが重要(じゅうよう)です。