日本では年間に約300万台※もの自動車が廃車(はいしゃ)になっています。しかし自動車には、金属、タイヤなど、貴重(きちょう)な資源がたくさん使われていて、90%以上をリサイクルできます。商社では、それらの資源を国内でリサイクルすることをはじめ、1台の自動車を長く大切に乗りつづける人が多い外国には、取り外した中古パーツを販売するなど、自動車の3R(スリーアール)を進めています。
※出典:経済産業省 平成23年度 自動車リサイクル法の施行状況
自動車はリサイクル素材のかたまりです。エンジンやモーターなどは中古部品として、タイヤは燃料(ねんりょう)として、ドアやボディなどは鉄やアルミとして、自動車全体の重さの約80%がリサイクルされています。残りはシュレッダーダストという粉々(こなごな)の状態(じょうたい)にされます。シュレッダーダストは、燃料や道路のほそう材料として使用でき、最終的には自動車の90%以上をリサイクルできています。
日本では数年前までたくさんの自動車が山の中などにこっそり捨(す)てられていて社会問題となっていました。しかし、2005年よりそれを取りしまる法律「自動車リサイクル法」がスタートし、シュレッダーダストと、カーエアコンに使用されるフロン類、爆発(ばくはつ)の危険(きけん)があるエアバッグ類を、リサイクルすることが義務づけられました。その結果、捨てられる自動車の数は、リサイクル法がスタートしたときの14.0万台から0.87万台※へと、7年間で大きくへりました。
※出典:経済産業省 平成23年度 自動車リサイクル法の施行状況