CO2は、地球温暖化(おんだんか)の原因の一つです。日本で出ているCO2の約20%※は、自動車、鉄道、船、飛行機などの乗り物の排気(はいき)ガスによるものです。その中でも、自動車の排気ガスにふくまれるCO2は、乗り物全体の約90%※にもなり、業務(ぎょうむ)用の自動車と自家用車が半分ずつ出しています。商社は、これらのCO2をへらすために、「グリーン物流(ぶつりゅう)」や「カーシェアリング」などの事業(じぎょう)に取り組んでいます。
※出典:温室効果ガスインベントリオフィス
企業(きぎょう)が物を運ぶときに、CO2をできるだけ出さないようにする輸送(ゆそう)方法です。CO2の排出(はいしゅつ)が少ない船や鉄道を使用する、複数の企業が共有して同じトラックで物を運ぶ、ハイブリッド車や天然ガス自動車など環境性能(せいのう)にすぐれた低公害車(ていこうがいしゃ)を使用するなど、さまざまな方法があります。
グリーン物流(ぶつりゅう)では、出発地と目的地の距離(きょり)をできるだけ短くし、使用する燃料(ねんりょう)を節約(せつやく)することも大切です。そのほかドライバーの運転を記録(きろく)して安全でムダのない運転をしているかを確認(かくにん)したり、信号待ちのときにエンジンを止めるアイドリングストップなどの省エネ・安全運転の指導(しどう)も行います。
世界各国と日本との間で、さまざまな物の輸送(ゆそう)に関わっている商社は、CO2をできるだけ出さないグリーン物流(ぶつりゅう)に、積極的(せっきょくてき)に取り組んでいます。たとえば、中国でつくった商品を日本に輸入(ゆにゅう)して各地に販売する事業(じぎょう)において、これまでは商品を飛行機で日本へ運び、到着(とうちゃく)した空港で目的地別に分け、各地のお店へトラックで長距離輸送(ちょうきょりゆそう)していたため、ガソリンをたくさん消費(しょうひ)し、排気(はいき)ガスもたくさん出していました。そこで、飛行機からCO2排出(はいしゅつ)の少ない船に変えて、さらに先に海外で商品を分けておき、それぞれの目的地に近い港まで船で運んでから、トラックで運ぶ方法にしました。その結果、約30%もCO2をへらすことに成功しました。
カーシェアリングとは、自動車を複数の人が共同で使用する、新しい自動車の所有(しょゆう)方法です。自動車が空いていれば、使いたい日に使いたい時間だけ自動車を利用することができます。
バスや電車などの公共交通機関(こうきょうこうつうきかん)を利用するのと同じように、カーシェアリングが広がると自動車の全体の台数がへるため、排気ガスが少なくなり、その結果CO2をへらすことにつながります。
商社は、近い将来、自動車を所有(しょゆう)するのではなく、みんなで共有するサービスを求める人が増えてくると予測(よそく)しています。そこで、誰もが好きなときに好きな時間だけ自動車を利用できるカーシェアリングサービスを開始し、その普及(ふきゅう)に取り組んでいます。
現在行っているサービスでは、携帯電話(けいたいでんわ)やパソコンを使って予約するだけで、あとは自動車のある場所へ行き、自分でカギを開けて自動車を利用することができます。使用する自動車には、CO2の排出(はいしゅつ)が少ない、ハイブリッドカーや電気自動車も用いています。
商社は、このカーシェアリングサービスを広めていくことで、自動車が出すCO2の半分を占めている、自家用自動車によるCO2削減(さくげん)につなげていきたいと考えています。
自動車は運営会社が管理
整備は専門のスタッフが行う