世界の国々では電気をつくるときに、そのほとんどを石炭、石油などの化石燃料(かせきねんりょう)を使用する火力発電所(かりょくはつでんしょ)で行っています。しかし、火力発電所はたくさんのCO2を排出(はいしゅつ)することから、地球温暖化(おんだんか)を進める原因になっています。商社は、世界で増加しつづける電気の使用量に対応(たいおう)するため、CO2の排出がない、あるいは少ないクリーンなエネルギーによる発電を世界中で進めています。
太陽の光エネルギーを電気に変える「太陽電池」という装置(そうち)で発電します。太陽エネルギーはなくなる心配がほとんどなく、CO2も排出(はいしゅつ)しません。また、エネルギー量は巨大で、たとえば、130km2という世界で4番目の大きさをほこるゴビ砂漠(さばく)全体に太陽電池をならべることができれば、地球上で必要なエネルギーのほとんどをつくり出せるといわれています。太陽光発電への期待(きたい)は高く、太陽電池の生産(せいさん)は世界中で伸びつづけています。
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※※出典: PV Status Report 2013(European Commission, Joint Research Centre)
太陽光発電に似ていますが、光を電気に変えるのではなく、太陽の熱で液体を熱して水蒸気(すいじょうき)をつくり、発電機(はつでんき)をまわして電気をおこす「太陽熱発電」もあります。光と異(こと)なり熱は貯めておくことができるため、夜間でも発電できるメリットがあります。
アジアの国々から、中東、オーストラリア、ニュージーランド、中南米、ヨーロッパ、アメリカまで、商社は世界中で太陽光エネルギーを利用した発電プロジェクトを進めています。
例えば、1年を通して晴れの日が多く、ふりそそぐ太陽の光が多いスペインでは、地元の企業(きぎょう)と太陽光発電を開始し、火力発電所とくらべて年間に約1万トンものCO2削減(さくげん)を実現しています。
また、中東で2015年の完成をめざして進められている、必要なエネルギーをクリーンなエネルギーだけでつくる街「マスダールシティ」の建設(けんせつ)では、日本の石油会社などと共同で大規模(だいきぼ)な太陽熱発電プロジェクトを進めています。
商社の取り組みによって、環境にやさしい太陽エネルギーの利用が世界で大きく伸びてきています。
太陽光発電設備(韓国)
太陽光発電設備(アメリカ)