日本は、〝海外から必要な燃料資源・原料を輸入（ゆにゅう）し、高い技術で作った製品（せいひん）を海外に輸出する〟というスタイルで経済成長（けいざいせいちょう）してきました。
このページでは、日本はどのような国々とたくさん貿易をしているのか。その相手国は時代によってどのように変わってきているのか。1990年から2010年までの輸出入額が多い国々の移り変わり（各年の上位10カ国）を見てみましょう。
 |
|
 |
|
日本の輸出相手国の上位に登場する国を見てみましょう
日本の輸出相手国上位10カ国の移り変わり
2008年までの50年余りはアメリカがだんぜん1位でしたが、2009年にアメリカで金融危機が起こり、アメリカをはじめ世界中の景気が急激（きゅうげき）かつ同時に悪くなり需要が落ち込みました。しかし、中国経済は、政府のいろいろな経済対策（景気浮揚策）により景気の落ち込みが少なく、2009年には初めて日本の最大輸出相手国になり、2010年は引き続き高い成長を遂（と）げたことから日本の輸出額は過去最高を記録しました。
2位のアメリカへの輸出も金融危機がおさまりはじめたことから2010年はプラスに転じました。3位以下の輸出相手国の上位は、韓国、台湾、香港、タイなどの経済成長の著しいアジア諸国（しょこく）や地域が占（し）めています。アメリカ向けでは自動車が多いのに比べて、アジア向けの輸出品は半導体（はんどうたい）などの先端技術を活かした機械類や部品、電気製品などと、鉄鋼・銅などの非鉄金属などが多くを占（し）めています。これはアジア各国が半導体などを使用した製品を組み立てる産業が多いことと、国の成長にともないビルや工場、道路などのインフラ（産業基盤と生活関連の社会資本）設備のために非鉄金属を必要としているからです。
日本から輸出している国の上位10カ国の移り変わり
↓国旗をクリックすると、その国の説明が見られます。↓
（単位：100億円）
| 順位 | 1995年 輸出総額 [4,153] |
2000年 輸出総額 [5,165] |
2005年 輸出総額 [6,566] |
2010年 輸出総額 [6,741] |
|---|---|---|---|---|
| 国名 輸出額（シェア） |
||||
| 1 | アメリカ 1,133（27.3%）  |
アメリカ 1,536（29.7%） |
アメリカ 1,481（22.5%） |
中国 1,309（19.4%）  |
| 2 | 韓国（かんこく） 293（7.0%）  |
台湾 387（7.5%）  |
中国 884（13.5%） |
アメリカ 1,039（15.4%） |
| 3 | 台湾（たいわん） 271（6.5%） |
韓国 331（6.4%） |
韓国 515（7.8%） |
韓国 546（8.1%） |
| 4 | 香港 260（6.3%）  |
中国 327（6.3%） |
台湾 481（7.3%） |
台湾 460（6.8%） |
| 5 | シンガポール 216（5.2%）  |
香港 293（5.7%） |
香港 397（6.0%） |
香港 370（5.5%） |
| 6 | 中国 206（5.0%） |
シンガポール 224（4.3%） |
タイ 248（3.8%）  |
タイ 299（4.4%） |
| 7 | ドイツ 191（4.6%）  |
ドイツ 216（4.2%） |
ドイツ 206（3.1%） |
シンガポール 221（3.3%） |
| 8 | タイ 185（4.5%） |
イギリス 156（3.1%）  |
シンガポール 204（3.1%） |
ドイツ 179（2.7%） |
| 9 | マレーシア 157（3.8%）  |
マレーシア 150（2.9%） |
イギリス 166（2.5%） |
マレーシア 154（2.3%） |
| 10 | イギリス 132（3.2%） |
タイ 147（2.8%） |
オランダ 145（2.2%）  |
オランダ 143（2.1%） |
| 参考 | アジア 1,808（43.6%） |
アジア 2,125（41.1%） |
アジア 3,180（48.4%） |
アジア 3,783（56.1%） |
| 中東 126（3.0％） |
中東 105（2.0％） |
中東 182（2.8％） |
中東 222（3.3%） |
|
| ＥＵ 660（15.9%） |
ＥＵ 843（16.3%） |
ＥＵ 965（14.7%） |
ＥＵ 762（11.3%） |
|
出典：財務省貿易統計（ざいむしょうぼうえきとうけい）より
日本の輸入相手国の上位に登場する国を見てみましょう
日本の輸入上位10カ国の移り変わり
2002年にアメリカから中国にトップの座が変わってからずっと中国が1位です。製品の国際価格競争力を高めるために、日本の企業が労働賃金の安い中国に工場を建てて現地にて製造し、日本に輸入するという新しい経済・貿易の体制ができてきたことが理由の一つです。また、韓国（かんこく）、台湾（たいわん）、タイなどでも、同様に工場を造って、そこでできた製品を輸入するという加工貿易が増えたことから、アジアの国々が上位となりました。
アジアの国々の工場で作った製品を輸入するという貿易スタイルは今も変わっていないものの、2003年ころからは、資源やエネルギー価格が大幅に上昇したことにともない、産出国である中近東の国々やオーストラリアなどが上位に名を連（つら）ねるようになりました。
日本が輸入している国の上位10カ国の移り変わり
↓国旗をクリックすると、その国の説明が見られます。↓
（単位：100億円）
| 順位 | 1995年 輸入総額 [3,386] |
2000年 輸入総額 [4,094] |
2005年 輸入総額 [5,695] |
2010年 輸入総額 [6,064] |
|---|---|---|---|---|
| 国名 輸入額（シェア） |
||||
| 1 | アメリカ 759（22.4%） |
アメリカ 778（19.0%） |
中国 1,198（21.0%） |
中国 1,341（22.1%） |
| 2 | インドネシア 182（5.4%）  |
中国 594（14.5%） |
アメリカ 707（12.4%） |
アメリカ 591（9.7%） |
| 3 | オーストラリア 179（5.3%）  |
韓国 220（5.4%） |
サウジアラビア 317（5.6%）  |
オーストラリア 391（6.5%） |
| 4 | 中国 173（5.1%） |
台湾 193（4.7%） |
アラブ首長国連邦 280（4.9%）  |
サウジアラビア 315（5.2%） |
| 5 | 韓国 169（5.0%） |
インドネシア 177（4.3%） |
オーストラリア 271（4.8%） |
アラブ首長国連邦 257（4.2%） |
| 6 | ドイツ 129（3.8%） |
アラブ首長国連邦 160（3.9%） |
韓国 270（4.7%） |
韓国 250（4.1%） |
| 7 | サウジアラビア 148（4.4%） |
オーストラリア 160（3.9%） |
インドネシア 230（4.0%） |
インドネシア 246（4.1%） |
| 8 | アラブ首長国連邦 （しゅちょうこくれんぽう） 129（3.8%） |
マレーシア 156（3.8%） |
台湾 199（3.5%） |
台湾 202（3.3%） |
| 9 | 台湾 123（3.6%） |
サウジアラビア 153（3.7%） |
ドイツ 197（3.5%） |
マレーシア 199（3.3%） |
| 10 | カナダ 122（3.6%）  |
ドイツ 137（3.4%） |
タイ 172（3.0%） |
タイ 184（3.0%） |
| 参考 | アジア 1,157（34.2%） |
アジア 1,706（41.7%） |
アジア 2,529（44.4%） |
アジア 2,747（45.3%） |
| 中東 442（13.1％） |
中東 531（13.0％） |
中東 966（17.0％） |
中東 1,038（17.1%） |
|
| ＥＵ 458（13.5%） |
ＥＵ 504（12.3%） |
ＥＵ 647（11.4%） |
ＥＵ 582（9.6%） |
|
出典：財務省貿易統計より
